リサイクルナイロンとは
リサイクルナイロンとは、回収したナイロン製品や製造工程で出る端材などを原料の一部または全部に用いて作られるナイロン素材です。
目次5項目
定義と概要
リサイクルナイロンは、使用済み製品、廃棄予定の漁網、製造時に出る端材などを回収し、再びナイロン原料として利用する素材です。回収原料を物理的に再利用する方法と、原料レベルまで戻して利用する方法があり、原料の由来や工程は素材ごとに異なります。
「リサイクル」は原料の由来を示す言葉であり、織物・ニットといった組織、タフタ・ツイルなどの生地名、撥水などの機能を表すものではありません。リサイクルナイロンを経糸または緯糸の一部に使い、綿などほかの繊維と交織する生地もあります。
特徴
一般的なナイロンと同様に、軽さ、強度、しなやかさを生かした生地設計ができます。フィラメント糸なら滑らかでクリアな表面になりやすく、加工糸や高密度織物では、ハリ、ドライな触感、適度なふくらみなどを持たせることもできます。
見た目や風合い、引裂強度、ストレッチ性、撥水性は、再生原料であることだけでは決まりません。糸の太さと形状、織編み組織、密度、混用率、後加工によって大きく変わります。環境配慮に関する訴求を行う場合は、再生材の含有率や認証の有無を個別に確認します。
主な用途
軽量性と耐久性を生かし、ブルゾン、コート、パンツ、スポーツウェア、アウトドアウェア、バッグなどに用いられます。薄地から厚地まで設計の幅があり、単独で季節を限定する素材ではありません。裏地、表地、袋布など、求める性能に合わせた使い分けが必要です。
高密度の平織やリップストップに撥水加工を組み合わせる用途では、雨や汚れへの配慮を持たせやすくなります。ただし、撥水加工は使用や洗濯により性能が低下することがあるため、素材自体の性質と加工の性能を分けて確認します。
- アウター、ブルゾン、ライトウェア
- スポーツ・アウトドア用の衣料
- バッグ、ポーチなどの服飾雑貨
- 綿などとの交織・混用生地
選び方と取り扱いの注意点
選定時は、リサイクル原料の含有率だけでなく、混用率、目付、密度、組織、表面感、必要な強度を確認します。用途に応じて、引裂強度や摩耗強度、通気性、撥水度などの試験値も確認すると安心です。ロットによる色や風合いの差については、量産前に見本で確認します。
ナイロンは熱で変形しやすいため、アイロン、プレス、乾燥機などの温度条件に注意が必要です。洗濯による縮みや寸法変化は組織、混用繊維、加工条件によって異なるため、事前に洗濯試験を行います。洗濯表示と生地供給元の取扱い条件を優先します。
縫製では、薄地や高密度生地は針穴、縫い縮み、パッカリングが目立つことがあります。生地に合う針先と針番手、糸の太さ、縫い目の密度、糸調子を試縫いで調整します。撥水加工品は、針穴からの浸水やシーム部の仕様も確認します。
よくある質問
リサイクルナイロンと通常のナイロンは何が違いますか?
主な違いは原料の由来です。リサイクルナイロンは回収原料を利用しますが、強度、光沢、風合い、耐久性が通常のナイロンと同じかどうかは、原料、製法、糸や生地の設計によって異なります。用途に必要な性能を個別に確認します。
リサイクルナイロンは洗濯で縮みますか?
縮みや寸法変化の程度は、ナイロンの再生原料比率だけでは判断できません。織編み組織、混用繊維、染色整理加工、洗濯条件が影響します。量産前に実際の洗濯方法で試験し、製品の洗濯表示に適した仕様を決めます。





