撥水度とは
撥水度とは、生地表面が水滴をはじき、濡れ広がりにくい性質を試験で評価した度合いです。水の浸入を防ぐ性能を示す耐水圧とは異なります。
定義と概要
撥水度は、生地の表面に付着した水が玉状になって転がり、表面を濡らしにくい性質を評価する指標です。繊維そのものの性質だけでなく、撥水加工、糸使い、織編み密度、表面の凹凸などの影響を受けます。
評価には水を生地表面に当てた後の濡れ方を観察する方法などが用いられます。試験方法や判定条件が異なると結果を単純に比べられないため、企画や調達では試験方法、初期性能、洗濯後の性能を合わせて確認します。
特徴と見た目
撥水性のある生地は、雨粒や水はねが表面に残りやすく、軽い雨や汚れに対応しやすい特徴があります。水を含みにくいため、濡れた直後の重さや冷たさを抑えることにもつながりますが、完全に水を通さないことを意味するものではありません。
加工の種類や生地構造によって、風合いは変わります。薄地では比較的軽快な感触に仕上がる場合がある一方、加工によってはハリ、硬さ、表面の光沢感が出ることがあります。製品で求めるドレープ性やマット感との両立を確認することが重要です。
主な用途
撥水度が求められる生地は、雨や水はねに触れる機会が多いアウター、ブルゾン、コート、パンツ、バッグなどに用いられます。通勤・通学用、アウトドア用、スポーツ用、ユニホームやワーキングウェアにも、用途に応じて採用されます。
特に梅雨や秋冬のアウター用途では、表地が濡れにくいことが着用時の快適性に関わります。一方、裏地や中間衣料では必須の性能とは限らないため、着用環境、雨への対応範囲、透湿性や通気性との優先順位を整理して選定します。
選び方と取り扱いの注意点
撥水度だけで防水性を判断しないことが大切です。強い雨や長時間の降雨に対応する製品では、生地の耐水圧に加え、縫い目、ファスナー、ポケット口などからの浸水も確認します。防水透湿素材は、撥水性と水の浸入を抑える構造を組み合わせたものです。
撥水性能は、着用時の摩擦、皮脂や汚れの付着、洗濯、熱などによって低下することがあります。洗濯表示に従い、柔軟剤の使用可否や乾燥条件を確認します。縫製では針穴から水が入り得るため、防水性が必要な製品では縫い目の仕様も別途検討します。
生地によっては洗濯で縮みや寸法変化が生じるため、撥水性とは別に縮率を確認します。量産前には、実際の副資材や縫製条件を用いた試作、洗濯試験を行い、表面のアタリ、縫いずれ、加工むらの有無を確認すると安心です。
似ている用語との違い
撥水加工は、生地表面を水に濡れにくくする加工そのものを指し、撥水度はその結果として得られる性能の評価です。また、撥水性は水をはじく性質全般を表すため、評価値・等級を示す場面では撥水度と区別して用いられます。
耐水圧は、水が生地を通り抜けようとする圧力に対する抵抗性を示す指標です。撥水度が高くても、圧力がかかる状況や縫い目では水が浸入することがあります。用途に応じて、撥水度、耐水圧、透湿度を総合的に確認します。
よくある質問
撥水度が高ければ、雨でも必ず水が染み込みませんか?
必ずしも染み込みを防げるわけではありません。撥水度は表面が水をはじく度合いであり、水圧に対する抵抗性や縫い目からの浸水までは示しません。レインウェアなどでは、耐水圧、生地の構造、シーム処理なども確認する必要があります。
撥水性が洗濯で低下した場合、回復させられますか?
汚れの除去や適切な乾燥によって、表面の水はじきが改善する場合がありますが、回復の可否と方法は加工や素材により異なります。洗濯表示と生地の取扱説明を確認し、必要に応じて対応する撥水処理を検討します。





