三つ折りとは
三つ折りとは、生地端を内側へ二度折り込んで裁ち端を包み、折り山付近を縫って裾や端部を始末する縫製仕様です。
定義と概要
三つ折りは、裁断した生地の端を一度折り、さらに内側へ折り返してから縫う端始末です。裁ち端が表裏から見えにくくなり、ほつれを抑えながら比較的すっきりした裾や周縁に仕上げられます。
シャツやブラウスの裾、スカートの裾、ハンカチなどの周囲に用いられます。折り込む回数ではなく、仕上がり時に生地が三層になる構造を指すため、折り幅と縫い位置は製品仕様によって異なります。
工程での位置づけ
一般的には、裁断後に必要な芯貼りや主要な縫い合わせを行い、裾口などを三つ折りして縫製します。脇縫いや前後中心の縫い代をどちらへ倒すかは、三つ折り部分の厚みや見え方にも影響します。
量産では、アイロンで折り目を付けてから縫う方法のほか、ラッパと呼ばれる折り込み案内具をミシンに取り付け、折り込みと縫製を連続して行う方法があります。工程設定は生地の厚み、伸縮性、カーブの程度に合わせます。
進め方と実務のポイント
仕様書では、仕上がりの折り幅、縫い位置、表側に見せるステッチの有無、使用する縫い方を明記します。縫い代を含むパターン寸法と仕上がり寸法を区別し、折り込み後に製品丈が不足しないように設定することが重要です。
直線部は安定して縫いやすい一方、強いカーブや角では内側と外側の差によりしわやつれが出やすくなります。カーブに応じて折り幅を調整し、必要に応じて切り込みやいせ込みを行い、試作で外観を確認します。
- 薄地では縫いずれや波打ちが起きないか確認します。
- 厚地や硬い生地では、折り重なり部の厚みと針通りを確認します。
- 柄物では、裾線で柄が傾いたり途切れたりしないか確認します。
- 伸びやすい編地では、引っ張らずに送り、縫い伸びを抑えます。
発注と品質の注意
縫製工場への発注時は、三つ折りという名称だけでなく、折り幅、縫い目の本数、縫い糸の色、ステッチ幅、始末位置を見本と仕様書で共有します。生地が変わると折りやすさや縫製条件も変わるため、量産前に現物生地で承認見本を確認します。
検品では、折り幅のばらつき、縫い目からの裁ち端の飛び出し、パッカリング、縫い外れ、カーブ部のつれを確認します。洗濯後に縮みやねじれが生じる生地では、裾の波打ちや縫い目の変形も評価対象にします。
似ている用語との違い
端始末は裁ち端のほつれを防ぐ方法全般を指し、三つ折りはその具体的な方法の一つです。オーバーロックは裁ち端をかがり縫いで処理する方法であり、生地端を二度折り込む三つ折りとは構造と外観が異なります。
三つ巻きは三つ折りと同じ意味で使われることがありますが、特に細い折り幅で端を巻き込む始末や、専用のラッパを使う縫製を指す場合があります。発注時は呼称だけに頼らず、仕上がり見本と寸法で確認します。
よくある質問
三つ折りの縫い代はどのように決めますか。
仕上がりの折り幅を基準に、二回折り込める縫い代をパターンに設定します。必要な寸法は生地の厚み、カーブ、ラッパ使用の有無で変わります。縫い代不足は裁ち端の飛び出しにつながるため、量産と同条件の試作で確認します。
三つ折りとオーバーロックはどのように使い分けますか。
裁ち端を隠して表裏とも整った見え方にしたい裾や周縁には三つ折りが向きます。オーバーロックは端をかがってほつれを防ぐ処理で、縫い代の始末や伸縮性を要する箇所にも使われます。用途、外観、生地厚を基に選定します。
三つ折りで裾が波打つ原因は何ですか。
生地を引っ張って縫うこと、縫い糸調子が強すぎること、折り込み量が不均一なことなどが原因になります。伸びやすい生地やバイアス方向の箇所は特に起きやすいため、送り条件、押さえ、縫い目、アイロン工程を試作で調整します。





