CIELABとは
CIELABとは、明度を表すL*と、赤緑方向のa*、黄青方向のb*で色を数値化し、色差管理に用いる色空間です。
目次6項目
定義と概要
CIELABは、国際照明委員会が定めた表色系の一つです。色をL*、a*、b*の三つの座標で表し、目視では伝わりにくい色の差を数値で共有するために使います。生地そのものの種類、組織、加工名ではありません。
L*は明るさを示し、値が大きいほど明るい色を表します。a*は赤方向と緑方向、b*は黄方向と青方向の傾向を示す軸です。三つの値を組み合わせることで、色の位置を立体的に管理できます。
- L*:明度の指標です。
- a*:正側が赤方向、負側が緑方向です。
- b*:正側が黄方向、負側が青方向です。
色の見え方と品質管理
CIELABの値は風合い、縮み、洗濯性、縫製性を直接示すものではありません。一方で、染色やプリントの色相、明度、鮮やかさのずれを確認し、見本色に近づけるための共通言語として役立ちます。
同じLab値に近くても、光源、観察方向、表面の光沢、毛羽、組織によって見え方は変わります。特に光源によって色が異なって見えるメタメリズムは、数値だけでは判断せず、指定光源下での目視確認も必要です。
主な用途
アパレルでは、ラボディップ、ストライクオフ、量産反の色合わせ、プリント柄の色確認などに用いられます。シーズンやアイテムを問わず、ブランド基準色や先行見本に対する色管理が必要な場面で活用されます。
色差は一般にΔEで表し、基準色と試料のLab値から算出します。発注書や検品基準では、測定条件、許容する色差、判定方法をあらかじめ取り決めると、取引先間の認識差を抑えやすくなります。
運用時の注意点
測色値を比較する際は、測定機器、光源、観察者条件、試料の重ね方、測定面の向きをそろえることが重要です。起毛品、光沢品、杢調、透ける薄地などは測定箇所による値のばらつきも確認します。
洗濯、摩擦、日光、熱などによる変退色は、初期のLab値だけでは評価できません。用途に応じた堅牢度試験の前後で色差を確認し、洗濯表示や着用環境に適した基準を設定します。
縫製では、表地、付属、縫い糸の色を別々に確認します。同じ色番でも素材や光沢が異なると色が合わなく見えることがあります。完成品の照明環境を想定し、裁断前と縫製後の双方で確認します。
似ている用語との違い
ΔEは、二つの色の隔たりを数値で示す色差です。CIELABが色を表す座標の仕組みであるのに対し、ΔEはその座標を基にした色の差の評価に用いられます。
グレースケールは、主に変退色や汚染の程度を視覚的に判定するための見本です。Lab値は測色による数値管理、グレースケールは標準見本との視感比較という点が異なります。
よくある質問
Lab値だけで生地の色を決められますか?
CIELABとΔEの違いは何ですか?
CIELABは色をL*、a*、b*で表すための色空間です。ΔEは、基準色と試料のLab値を比較して求める色差の指標です。つまり、CIELABが色の座標、ΔEが二つの色の隔たりを表します。
洗濯後の色変化もLab値で管理できますか?
管理できます。洗濯前後の同じ箇所を同条件で測色し、Lab値の変化やΔEを確認します。ただし、実用性の評価には洗濯堅牢度などの試験結果、外観変化、白場への汚染の確認も併せて必要です。





