堅牢度とは
堅牢度とは、染色またはプリントされた生地の色が、洗濯・摩擦・汗・光などの作用によって変退色したり他のものへ移ったりしにくい性質を評価する指標です。
定義と概要
堅牢度は、染色・プリントされた繊維製品の色の耐久性を確認するための品質評価です。使用時や手入れ時に受ける作用に対し、元の色がどの程度変化しにくいか、また接触した別布をどの程度汚しにくいかを見ます。
評価では、色そのものが薄くなる、色調が変わるといった変退色と、白色などの添付布へ色が移る汚染を区別します。生地の色、染料や顔料、繊維の種類、加工条件などにより結果は異なります。
- 洗濯堅牢度:洗濯による変退色や他の衣類への汚染のしにくさです。
- 摩擦堅牢度:乾いた状態・ぬれた状態でこすれた際の色移りのしにくさです。
- 汗堅牢度:汗を想定した液による変退色・汚染のしにくさです。
- 耐光堅牢度:光への暴露による退色や変色のしにくさです。
特徴と製品への影響
堅牢度が用途に対して十分でない場合、洗濯時の色移り、バッグや椅子との摩擦による汚染、日光が当たる部分の退色などが起こることがあります。濃色、鮮やかな色、濡れやすい製品は、特に確認が求められる場合があります。
堅牢度は生地の丈夫さや縮みにくさを直接示す値ではありません。同じ色名や同じ繊維組成でも、染色方法、後加工、濃度、ロットによって差が生じるため、色ごと・生地ごとに確認することが重要です。
主な用途と確認の考え方
日常的に洗濯するシャツ、カットソー、肌着、スポーツウェアでは、洗濯や汗に対する堅牢度を用途に合わせて確認します。デニムなどの濃色カジュアルウェアでは、摩擦による色移りも企画段階で考慮します。
カーテンや窓際で使う製品、屋外で着用する衣類では、耐光性が製品の見た目に関わります。裏地、付属、プリント部分を含め、接触する淡色材料や着用・保管環境を想定して評価項目を選定します。
- 白色・淡色の別布や裏地と組み合わせる場合は、汚染の評価を確認します。
- 汗や雨でぬれる可能性がある場合は、湿潤時の摩擦による色移りにも注意します。
- プリント生地は、柄部分と地色部分のそれぞれについて必要な性能を確認します。
選び方と取り扱いの注意点
生地を選定する際は、必要な試験項目、評価方法、対象色、試験結果の対象ロットを仕入先に確認します。要求水準は製品用途、販売先の基準、洗濯表示などにより異なるため、数値だけでなく試験条件も合わせて確認します。
濃色品や配色製品は、初期の洗濯で単独洗いまたは同系色洗いとするなど、洗濯表示に沿った取り扱いが必要です。濡れたまま放置したり、強くこすったりすると色移りの原因になるため、着用者への表示も検討します。
試作段階では、製品化後の縫製、洗い加工、プリーツ加工などによる見え方の変化も確認します。生地単体での試験結果があっても、副資材や加工との組み合わせによる汚染リスクは別途確認することが大切です。
似ている用語との違い
縮率は洗濯などによる生地寸法の変化の度合いであり、色の耐久性を示す堅牢度とは評価対象が異なります。ピリングは摩擦などで毛玉が発生する現象、斜行は洗濯後などに編地・織地の目がねじれる現象です。
先染め・後染め・プリントは、色を付ける工程や方法を表す用語です。これらの方法は堅牢度に影響し得ますが、工程名そのものが一定の堅牢度を保証するものではありません。
よくある質問
堅牢度が高い生地なら、色落ちや色移りは起きませんか?
堅牢度が良好でも、色落ちや色移りがまったく起きないとは限りません。濃色製品をぬれた状態で強くこする、長時間水に浸ける、洗剤や漂白剤の使い方が適切でないといった条件では、影響が出る場合があります。洗濯表示に従って取り扱います。
洗濯堅牢度と摩擦堅牢度はどちらを確認すべきですか?
用途に応じて両方を確認することが基本です。洗濯頻度が高い衣類では洗濯堅牢度が重要であり、バッグとの接触、座る動作、汗や雨でぬれる場面が想定される濃色衣料では、特に摩擦堅牢度も確認します。必要な試験項目は製品の使用環境から決めます。
先染め生地は後染め生地より堅牢度が高いですか?
先染めか後染めかだけで堅牢度の優劣は判断できません。繊維の種類、染料や顔料、色の濃さ、染色・洗浄条件、後加工などが結果に関わります。生地の製法名で判断せず、採用する色とロットを対象とした試験結果を確認することが必要です。





