メタメリズムとは
メタメリズムとは、ある光源では同じ色に見える二つの色が、光源の種類や観察条件を変えると異なる色に見える現象です。
定義と概要
メタメリズムは、染料・顔料などの分光反射特性の違いにより起こる、色の見え方の現象です。昼光、店内照明、電球色や白色のLEDなど、光の分光分布が異なる環境では色差が目立つことがあります。
生地の織組織、厚み、光沢、毛羽なども見え方に影響しますが、メタメリズム自体は特定の素材や織物の種類を指す名称ではありません。同色に見える生地と付属の組み合わせでも問題になります。
見た目への影響
同じ色番として選定した表地、裏地、ミシン糸、ファスナーテープ、ボタンなどが、確認した場所では合って見えても、販売先や着用環境で色違いに見える場合があります。特に近い色同士では、わずかな差が目立ちやすくなります。
光沢のある素材、起毛素材、透け感のある素材では、光の反射や下地の影響も加わります。そのため、メタメリズムによる差と、表面形状・質感による見え方の差を分けて確認することが重要です。
- 生地と付属の色が照明によってずれて見える
- 同一製品内の切替え部分やステッチが目立つ
- 昼間の検品では問題がなく、店舗照明下で差が現れる
主な用途と管理場面
アパレルでは、配色や同色合わせを行うすべてのアイテムで考慮します。とくにジャケットやスーツ、ユニフォーム、フォーマルウェアのように、表地と複数の付属を近い色でそろえる製品では、企画段階からの確認が有効です。
季節そのものが発生要因ではありませんが、日中の屋外光と夜間の人工照明の両方で見られやすい用途では注意が求められます。生地単体だけでなく、実際に組み合わせる副資材を含めて確認します。
選び方と取り扱いの注意点
色合わせは、最終製品が見られることの多い照明条件を想定し、複数の光源で生地と付属を並べて確認します。小さなスワッチだけでなく、可能であれば面積のある見本や縫製見本で確認すると、切替え部やステッチの差を判断しやすくなります。
メタメリズムは縮み、洗濯、縫製によって直接発生する現象ではありません。ただし、洗濯や日光による退色、移染、ロット差によって色関係が変わると、見え方の差が顕在化することがあります。洗濯堅牢度や耐光堅牢度も別途確認します。
- 色見本の承認条件として確認光源を共有する
- 生地・裏地・芯地・糸・ファスナーなどを組み合わせて確認する
- 追加生産時はロットが変わる可能性を踏まえて再確認する
- 色合わせと堅牢度の評価を混同しない
似ている用語との違い
堅牢度は、洗濯、摩擦、汗、光などに対して色がどの程度変化・移行しにくいかを示す品質特性です。これに対してメタメリズムは、主に光源の違いで二つの色の一致関係が変わって見える現象であり、評価する対象が異なります。
ロット差は、生産時期や生産単位の違いによる色・風合いなどのばらつきです。ロット差があると色合わせが難しくなりますが、同一ロット内でも光源によって色差が現れることはあります。
よくある質問
メタメリズムは不良ですか?
メタメリズムは光源による色の見え方の現象であり、それ自体が直ちに不良とは限りません。ただし、指定照明下で表地と付属の色差が許容範囲を超える場合は、製品外観上の問題になります。企画時に確認条件と許容基準を共有することが重要です。
メタメリズムは洗濯で起こりますか?
洗濯が直接メタメリズムを起こすわけではありません。しかし洗濯による退色や色移りで生地と付属の色関係が変化すると、異なる照明下での色差が以前より目立つことがあります。洗濯後の組み合わせ見本でも確認すると安心です。
色合わせはどの照明で確認すればよいですか?
まず製品の使用・販売環境に近い照明で確認します。そのうえで、昼光に近い光と店内で想定される人工照明など、複数条件で比較する方法が一般的です。確認に用いる光源と判定方法を関係者間でそろえることが大切です。





