焼付塗装とは
焼付塗装とは、主に金属製のボタンなどに塗料を塗布し、加熱して塗膜を硬化・密着させる表面仕上げです。
定義と概要
焼付塗装は、塗料を施した後に加熱し、塗膜を硬化させる仕上げです。金属ボタンの表面に色や光沢を与え、素地を覆う目的で用いられます。塗料の種類、下地処理、加熱条件により、見た目や耐久性は変わります。
メッキが金属の表面に金属皮膜を形成する処理であるのに対し、焼付塗装は塗料による塗膜を形成する処理です。また、七宝はガラス質の釉薬を焼成する装飾技法であり、一般的な焼付塗装とは材料と表現が異なります。
素材とボタンの構造
焼付塗装は、主にメタルボタンの仕上げとして用いられます。ボタン本体には金属のほか、塗装に対応した成形材料が使われる場合もありますが、素材ごとに塗膜の密着性や耐熱性が異なるため、仕上げの適性確認が必要です。
二つ穴、四つ穴、猫目、足つき、トンネル足、カン足などの形状は、塗装方法ではなくボタン本体の構造によって決まります。穴の内側や足の付け根は摩擦や衝撃を受けやすいため、塗膜の状態を確認します。
- 穴あきボタンは、縫い糸との擦れが起こる穴まわりを確認します。
- 足つきボタンは、足の根元に過度な力がかからない付け方にします。
- 縁のある形状や彫刻模様は、塗料の溜まり方や下地の見え方に差が出ることがあります。
サイズの表し方
ボタンのサイズは、一般的に直径をmmまたはリーニュで表します。リーニュはボタンで使われる寸法単位であり、仕様書ではリーニュ表記とmm表記のどちらを採用するかを統一すると、発注や縫製時の取り違えを防ぎやすくなります。
焼付塗装は表面仕上げであり、サイズ区分そのものではありません。同じサイズでも、厚み、足の高さ、穴径、縁の有無によってボタンホールへの収まりや見え方が変わるため、現物で確認します。
主な用途
焼付塗装のボタンは、色をそろえたいデザインや、金属の光沢を抑えた表情を求める衣料に用いられます。ジャケット、コート、ブルゾン、ユニホーム、パンツ、ワンピースなどでは、表地の色や付属金具との調和を見ながら選定します。
同じ色名でも、塗料のつや、下地色、凹凸のある意匠、照明によって見え方が異なります。量産では、生地見本や他の付属と並べて色調と光沢を確認し、必要に応じて見本承認を行います。
付け方と取り扱いの注意
ボタン付けでは、塗膜面を硬い工具で強く押したり、縫い糸を過度に引き締めたりしないようにします。穴あきボタンは生地との間に適度なゆとりを持たせ、足つきボタンは根巻きなどでボタンが生地に密着しすぎないように付けます。
洗濯、ドライクリーニング、アイロンへの適性は、塗料、素地、接着や組み立ての仕様によって異なります。高温、強い摩擦、漂白剤、溶剤などは、割れ、欠け、変色、つや変化、塗膜のはがれにつながることがあるため、製品として試験・確認します。
アイロンをかける際は、ボタンに直接高温の熱や圧力を加えないことが基本です。必要に応じて当て布を用い、ボタンを避けて作業します。洗濯表示は生地だけでなく、使用するボタンを含めた製品全体の性能を確認して設定します。
よくある質問
焼付塗装とメッキの違いは何ですか。
焼付塗装は塗料を加熱硬化させて表面に塗膜を作る仕上げです。メッキは金属の皮膜を表面に形成する処理です。色、光沢、傷の見え方、経年変化が異なるため、用途や意匠に加え、摩擦や洗濯などの使用条件を考慮して選びます。
焼付塗装のボタンは洗濯できますか。
洗濯できるかどうかは、焼付塗装という仕上げ名だけでは判断できません。塗料、下地金属、構造、洗剤や洗濯方法によって影響が異なります。量産前に製品条件に沿った洗濯試験やドライクリーニング試験を行い、洗濯表示を決定します。
焼付塗装のボタンにアイロンを当ててもよいですか。
ボタンへの直接アイロンは、高温や圧力によるつや変化、変色、塗膜の傷みを招くおそれがあります。基本的にはボタンを避けてアイロンをかけます。やむを得ない場合は当て布を使用し、事前に目立たない箇所や試料で影響を確認します。





