当て布とは
当て布とは、アイロンやプレスをかける際に生地や付属の上に重ね、熱・圧力・蒸気によるテカリ、変色、溶融、表面のつぶれを抑えるための布です。
目次6項目
定義と概要
当て布は、衣服や服飾資材に直接アイロンを当てず、その間に一枚挟んで仕上げるための補助布です。熱をやわらげるとともに、アイロン面との摩擦や圧力を分散し、表面変化を防ぎやすくします。
とくに化学繊維、濃色生地、起毛・畝・凹凸のある素材、プリントや塗装のある部分では有効です。表示に当て布の指示がある場合は、温度指定とあわせて守ります。
使い方
当て布は清潔な状態で、しわを伸ばして対象物の上に置きます。アイロンを滑らせるより、必要な箇所を軽く押さえて移動すると、縫い代や折り目を整えやすくなります。
蒸気を用いる場合は、目立たない箇所で仕上がりを確認してから行います。毛足、畝、粒立ちなどの立体感を保ちたい生地は、押しつけずに浮かしスチームで形を整える方法が適します。
- アイロンの温度は、当て布ではなく対象物の洗濯表示や素材に合わせます。
- プリント、コーティング、塗装部分は、熱や蒸気で外観が変わることがあるため、事前確認が必要です。
- 当て布を外す前に十分冷ますと、折り目や形が安定しやすくなります。
種類と選び方
一般的には、薄手で平滑な綿の白布やガーゼなどが使われます。綿は熱に比較的強く、汚れや色移りを見つけやすい白色が扱いやすい特徴があります。蒸気を通して状態を確認したい場合は、薄手の布が便利です。
繊細な生地には、表面がなめらかで毛羽立ちの少ないものを選びます。一方、厚手の生地や強い熱を避けたい素材では、当て布だけで安全性を判断せず、低温設定や短時間のプレスを組み合わせます。
- 白色または淡色で、染料移りのおそれが少ないもの
- 糊や柔軟剤、油分が残っていない清潔なもの
- 対象物の凹凸を過度に押しつぶさない薄さとやわらかさ
- アイロン面を覆える大きさ
手入れと安全上の注意
当て布に汚れ、焦げ、染料、接着剤などが付着すると、次のプレス時に衣服へ移るおそれがあります。使用後は状態を確認し、汚れたものは洗浄または交換します。用途別に分けて保管すると管理しやすくなります。
当て布を使っても、素材によっては熱で溶ける、光沢が出る、縮む、色が変わることがあります。アイロンを長時間置いたままにせず、温度を上げる前には必ず端切れや目立たない部分で試験してください。
似ている用語との違い
当て布はアイロン工程で対象物を保護するための布です。接着芯や裏地のように、衣服の構造や着用時の機能を担う資材ではなく、仕上げ作業時に一時的に用います。
プレスは熱、蒸気、圧力を用いて形を整える作業全体を指します。当て布はその作業に用いる道具の一つです。袖馬や袖まんじゅうは、袖などの立体部分を支えてプレスするための道具であり、当て布とは役割が異なります。
よくある質問
当て布はどのような布を使えばよいですか。
当て布をすれば高温でアイロンをかけてもよいですか。
当て布は熱の影響を和らげますが、対象物の耐熱性を高めるものではありません。洗濯表示や素材に応じた温度を基本とし、低温から試します。化学繊維、コーティング、プリント部分は特に高温を避け、短時間で確認しながら仕上げます。
当て布は濡らして使うべきですか。
蒸気を補いたい場合に湿らせて使うことがありますが、常に必要ではありません。水分で輪ジミや色泣きが起きる素材もあるため、乾いた当て布と低温から始めるのが基本です。湿らせる場合は、端切れなどで事前に仕上がりを確認します。





