七宝とは
七宝とは、金属製の土台にガラス質の釉薬を焼き付けて色や模様を表した、装飾性の高いボタンの仕上げ・素材です。
定義と概要
七宝ボタンは、真鍮などの金属素地にガラス質の釉薬を施し、焼成して色面や模様を表現するボタンです。光沢のある発色と金属の縁取りによる重厚感が特徴で、服の留め具であると同時に装飾付属として用いられます。
「七宝」は本来、金属表面に釉薬を焼き付ける技法や仕上げを指します。ボタンの名称としては、真鍮製の本体に七宝を施した製品を指すことが多く、単に色の付いたメタルボタンとは区別して扱います。
素材と構造
土台には真鍮などが使われ、表面の色部は焼成された釉薬によって構成されます。土台の形状には平らな一枚板タイプや中空タイプがあり、厚み、重量感、衣服へのなじみ方が異なります。
穴あき仕様よりも、裏面に足を備える足つきボタンが多く見られます。足は角カン足や半丸カン足などがあり、表面に縫い目を出さずに付けられます。穴の有無、足の形状と高さは品番ごとに確認します。
- 足つきは表面の七宝部を見せやすく、装飾性を保ちやすい仕様です。
- 角カン足は角形の輪、半丸カン足は丸みのある輪状の足です。
- 一枚板は比較的薄く見せやすく、中空は厚みを抑えながら立体感を出す場合があります。
サイズの表し方と用途
ボタンの大きさは直径をmmで示すほか、リーニュで表すことがあります。リーニュはボタン用の伝統的なサイズ単位で、1リーニュは約2.54mmです。発注時は表示単位だけでなく、実寸、厚み、足を含む高さも確認します。
ブレザー、ジャケット、コート、ワンピース、制服の装飾ボタンなどに用いられます。金属と七宝の光沢が目立つため、前開きの主ボタン、袖口、ポケットまわりなど、意匠上のポイントに配置されることが多いです。
付け方と取り扱いの注意
足つきの七宝ボタンは、足に糸を通して縫い付けます。生地との間に適度なゆとりを持たせて根巻きをすると、厚地でも掛け外ししやすくなります。重量がある場合は、薄地への使用を避けるか、裏側に力ボタンを当てて負荷を分散します。
釉薬部分は強い衝撃で欠けたり割れたりするおそれがあります。洗濯、ドライクリーニング、アイロンへの耐性は、土台金属、釉薬、接着や足の構造によって異なるため、付属単体と製品状態で事前試験を行うことが重要です。
アイロンはボタンに直接当てず、当て布を用いて避けてかけます。洗濯時の他の金属付属との衝突、強い摩擦、薬剤への長時間の接触は、表面の傷、変色、光沢低下につながる場合があります。
似ている用語との違い
メタルボタンは金属を主材とするボタン全般を指します。七宝ボタンはそのうち、金属土台に焼成した釉薬の色面を持つものです。塗装や樹脂で着色したメタルボタンは、見た目が似ていても七宝とは限りません。
ガラスボタンはガラス自体を成形したボタンを指すのに対し、七宝ボタンは一般に金属の土台とガラス質の釉薬を組み合わせます。また、足つきボタンは取付構造の名称であり、七宝ボタンの素材・仕上げを示す名称とは分類が異なります。





