合成皮革とは
合成皮革とは、繊維の基布に樹脂を塗布・積層し、天然皮革に似た外観や手触りを表現したシート状の素材です。
定義と概要
合成皮革は、織物・編物・不織布などの基布に、ポリウレタン樹脂やポリ塩化ビニル樹脂などを用いて表面層を形成した素材です。表面のシボ、光沢、スエード調などを設計し、革らしい見た目や質感を表現します。
「合皮」は合成皮革の略称で、フェイクレザーは天然皮革に見せる素材の総称として使われます。PUレザーはポリウレタン系の表面層をもつものを指すことが多く、合成皮革全体と同義ではありません。
特徴と風合い
表面のエンボス加工などにより、なめらか、シボ調、スエード調、エナメル調といった多様な外観を作れます。色や柄の再現性を得やすく、一般的に裁断時の部位差が天然皮革より小さい点も特徴です。
基布、樹脂の種類、表面仕上げによって、厚み、ハリ、伸び、しなやかさ、通気性は大きく変わります。水を吸いにくく拭き取りやすい製品が多い一方、蒸れやすさや経時的な表面劣化には仕様ごとの差があります。
主な用途
衣料では、ジャケット、ブルゾン、コート、スカート、パンツ、ワンピースのほか、衿・ポケット・肘当てなどの部分使いに用いられます。厚手で防風性を備えたものは秋冬衣料に多く、薄手やストレッチ性のあるものは通年の企画にも使われます。
バッグ、靴、ベルト、帽子などの服飾雑貨や、家具・車両内装などのインテリア用途にも用いられます。ただし衣料用と雑貨・インテリア用では、要求される柔軟性、耐摩耗性、難燃性などが異なるため、用途に適した規格を確認します。
選び方と取り扱いの注意点
選定時は、見た目だけでなく、基布の種類、厚み、伸縮性、裏面の滑り、縫い目の強度、摩擦や屈曲への耐久性を確認します。表面の質感はロットや光の当たり方でも印象が変わるため、実物見本で色、光沢、シボを確認することが重要です。
水洗いの可否や縮みは、基布と表面樹脂の構成によって異なります。高温のアイロン、乾燥機、溶剤を含む薬剤は、変形、表面のべたつき、硬化、剥離の原因になることがあるため、洗濯表示と生地メーカーの取扱条件に従います。
縫製では、針穴が残りやすく、縫い直しが表面傷として目立つことがあります。試し縫いで針番手、糸、縫い目の長さ、押さえ圧を調整し、送りによる傷や縫い目のパンクを防ぎます。保管時は高温多湿、直射日光、他素材からの移行汚染を避けます。
- 人工皮革は、一般に極細繊維などを立体的に絡み合わせた構造を基材に用いる素材を指し、合成皮革とは構造や用語の扱いが異なることがあります。
- 天然皮革は動物の皮をなめした素材であり、合成皮革とは原料、構造、経年変化、手入れ方法が異なります。
よくある質問
合成皮革と人工皮革の違いは何ですか?
合成皮革は、一般に繊維の基布へ樹脂層を形成した素材です。人工皮革は、極細繊維を絡み合わせた立体的な基材に樹脂を含浸・付与したものを指すことが多く、より天然皮革に近い構造として扱われます。ただし、流通上の表記には用法の揺れがあります。
合成皮革は家庭で洗濯できますか?
洗濯の可否は素材構成と製品仕様によって異なるため、一律には判断できません。表面樹脂は熱、水分、洗剤、摩擦の影響を受けることがあるため、製品の洗濯表示を確認します。洗える表示でも、裏返しや短時間洗いなどの指定を守ることが大切です。
合成皮革を縫うときの注意点は何ですか?
針穴が残りやすいため、まち針を目立つ箇所に打たず、縫い直しを減らすことが基本です。生地の厚みと基布に合う針・糸を試し、送り傷、縫い縮み、縫い目の裂けを確認します。縫い代を重ねる部分は、厚みを見込んで仕様を検討します。





