
リアルレザーの代替素材として定着した合成皮革は、2026年、さらに進化の年を迎えています。
これまでの「軽くて扱いやすい」というメリットに加え、環境への配慮や質感表現の多様化がトレンドの中心に。
特に植物由来のポリウレタンや、耐久性の高いポリカーボネート系樹脂を採用した新素材が注目されています。
そんな新時代の合皮を代表するのが、高島商事の人気シリーズ。今回はその中から、質感・機能・用途のバランスに優れた7品番をご紹介します。

Sorona®繊維を基布に使用したサステナブル素材。
しなやかな質感と、柔らかく伸びる2wayストレッチ性があります。
湿式製法による通気性と耐加水分解性を両立した、長く美しい状態を保てる次世代素材です。
Sorona®使用製品に添付できるタグ(下げ札)も合わせて購入可能。
Sorona®とは?
DuPont™が開発した、一部植物由来(トウモロコシ)の材料を用いた、環境にやさしい高機能素材です。ナイロン6と比べて、生産時のCO2排出量を約63%低減、生産時に必要なエネルギー消費量を約30%低減しています。
エコテックス®とは?
世界最高水準の、繊維製品の安全性をはじめ環境や働く人にも配慮した生産体制がとられているかを厳しくチェックする、人と地球に優しい繊維製品の証です。

0.9mm厚のしっかりめの風合いと上品な艶で、高級感のある魅力的な仕上がり。
重量420g/㎡の重厚さの中にもしなやかさを感じさせます。
時間経過による劣化への高い耐久性があり、アウターやバッグ、雑貨からインテリアにも人気の品番です。
#2160と#3501はどちらもブラウン系の色展開に富んでおり、#3501はより高彩度で高発色のはっきりした色合い。
どれも使いやすいラインナップです。

軽く柔らかなほつれにくいニット基布を使用。
十分な横ストレッチと微少な経方向へのストレッチがあり、裁断しやすく扱いやすいため、衣料や衣料資材、アウトドア、雑貨やインテリア、什器資材にまで幅広く対応できます。
ほとんど艶無しのような落ち着きのある艶と細かい紋で主張しすぎず、カラーバリエーション豊かで汎用性も高く、安定した品質に実績のある人気のロングセラー商品。初めて合皮を扱う方にもおすすめの万能タイプです。

牛革調の自然なシボ感と、1mmという肉厚さが特徴で、リアルレザーのような迫力を再現しています。
ジャケットやブルゾンなど立体的なアイテムに適した存在感ある素材。 時間経過による劣化への耐久性を向上させているため、衣料品や雑貨、バッグだけでなく靴や産業資材にも使用されています。
加水分解に対する耐久性が高く、ジャングル試験(※)において6週間経過時点で表面フィルムの剥離が確認されず、これは約6年の実使用に耐えられるということとなります。
ジャングル試験とは?
人工的に作り出した高温高湿度環境下で通常1年かかる劣化を約1週間で再現し、1週間ごとに剥離強度を測定することで時間経過による劣化に対する耐久性を審査する試験。

縦横方向へ伸縮する2WAY機能が最大の特徴の商品です。
基布にポリウレタンが含まれているため編み目が詰まっており、強めのキックバックがあります。
表面はシボの型押しが無く、フラットで平滑性があります。
色番#101 は真っ白です。
#1のオフ白は廃色ですが、残念ながらオフ白のフラット+マットなものは似寄り品の該当ございませんでした。

光沢感のあるツルツルした表面のエナメル調合皮です。
#4345ストレッチの光沢版で、混率や目付け、キックバックの強さは同等品です。
表面光沢のため指紋が残りやすいデメリットもありますが、ステージ衣装などの華やかな表現に最適です。
色番#1はオフ白で、やや黄みのある白になります。
#71シルバー,#72ゴールドはやや粒感のあるパールカラーです。 #78ブロンズは光の反射によりグレー系からブラウン系に見える、鈍い金属色を演出しています。

裏基布にポリエステル+綿の混紡を採用し、バイオ加工を施すことで、独特のシワ感、風合いを表現したカーフレザー調乾式合成皮革です。
綿に作用する酵素を含んだ洗濯液で洗い綿部分を減少させ、程良く腰の抜けた柔らかな演出がされています。
横ストレッチがありますため、アウターやジャケットの他に、ボトムやアパレル雑貨にも使用できます。
色番#1のオフ白はベージュ系アイボリーに近い、明度を抑えた色合いです。
合成皮革は、見た目や手触りが本革に近く、本革よりも扱いやすいため多くの衣料品や小物に使われています。
また、本革のような寒暖の差による硬さの変化がほとんどないことも扱いやすさの理由のひとつです。(厳密に言えば、PVC(塩化ビニール)レザーは寒暖差による硬さの変化があります。)
今回ピックアップした7品番はどれもポリウレタンを使用した時間経過による劣化がしにくい高耐久の合皮ですが、いずれにしても合成皮革は化学的性質上、空気中の湿気や太陽光、温度の影響で劣化するものです。裁断や縫製時、保管方法まで、適切な取扱いをする必要がございます。
ここでは、合成皮革の取り扱いと長持ちさせるためのポイントを詳しく解説します。
合成皮革は、時間の経過とともに加水分解による剥離やべとつきが発生しやすくなる素材です。 これは合成皮革の避けられない特性であり、完全に阻止することは不可能です。 しかし、ポリカーボネイト系ポリウレタンを使用したものは耐久性が高く、適切に扱えば長期間にわたり表面の剥離やべとつきを防ぐことができます。 また、濃淡色の重ね合わせや部分使いには注意が必要で、汚染や色移りのリスクは常にあります。 汚れた場合は、中性洗剤で拭き取り、その後固く絞った布で水拭きの後、乾拭きしてください。
合成皮革の原反は、折りたたまずに芯巻きで保管するのが基本です。
高温・多湿・直射日光を避け、 イゲタ積み、重ね積み、立てての保管は避けてください。素材の変形や劣化の原因となります。
延反とリラクシングが必要です。裁断前には生地を延反し、24時間以上放反を行ってください。
同一方向に延反・型入れすることで、裁断後のゆがみや縮みを防止できます。
保管、裁断、縫製時の取り扱いが製品の品質に直結するため、慎重に行うことが重要です。
キズ部分は必ず取り除いてください。補修は極めて困難です。
摩擦熱で樹脂が溶けて融着することがあるため、裁断機のナイフは低回転で使用してください。
油性マーカーやボールペンでのマーキングは避けてください。樹脂の剥離、インクの擦れで汚す可能性があります。
同カラー・同ロット別に保管し、折りたたまないでください。
合成皮革は一般的な工業用ミシンで縫製可能ですが、いくつか注意点があります。
同一反内で縫製してください。合成皮革に限りませんが、ロット差による色・風合いの違いが起こり得ます。
生地の経と緯を縫い合わせる場合は伸縮性が異なりますので注意してください。
押さえ金・針板・送り歯はスライドリング押さえやテフロン加工品、樹脂コーティング品を使用してください。金属のものは傷の原因になります。
押さえ圧はやや弱めに、返し縫いは少なめにします。 ポケットの角など負荷がかかる部分には補強布を使用してください。表面のスレや剥離、裂け、パンクを防ぎます。
運針は3cm間に11~13針が目安ですが、素材の厚みにより若干異なります。
一度針を通すと穴が空きますため、縫い直しに注意してください。
針は細番手を使用し、摩耗や損傷がないように新しい針を用意しましょう。
ニット基布の場合は地糸切れにも注意が必要です。 S、KN、SF針か、表面処理加工を施したSU、ASU、PSU針が推奨できます。
アイロン・プレスについて スチームは使用せず、アイロンは裏側からあて布で110℃以下にします。 凹凸のある不織布を敷くと型押しの表面崩れを防げます。
接着芯地は低温タイプを使用し、プレス条件を事前に確認してください。
光・湿気・熱に弱いため、除湿剤を使って乾燥状態を保ちます。
折らずにハンガー吊り、皮膜面には包装紙を使用して保管してください。
製品同士の皮膜面を接触させないよう注意してください。色移りを防ぎます。
合成皮革の包装はポリプロピレンまたはポリエチレン製を使用してください。 塩化ビニール製は絶対に使用しないでください。
合成皮革は本革に比べ扱いやすい素材ですが、加水分解という避けられない性質をもちます。
適切な保管・裁断・縫製・仕上げを行うことで、製品の寿命を大幅に延ばせます。
特に高品質のポリカーボネイト系合成皮革は耐久性に優れていますので、正しい取り扱いをしてあげることで、大幅にその寿命を伸ばすことが可能です。
※ここで記載した事項は一般的な取扱い事項であり、生地の品番、アイテム、デザイン、縫製設備や技術により変動します。
これらの要素を事前に確認、検討の上、量産進行いただくようお願い申し上げます。
リアルレザーの表情を持ちながらも、軽やかでしなやかな進化系合成皮革が、 これからのファッションとインテリアをさらに自由でクリエイティブな世界へと導きます。
PLANETA®は、大阪に拠点を置く合成皮革、エコファーのを専門に扱う髙島商事㈱のオリジナルブランド、登録商標です。
髙島商事㈱は30年以上もの間、合成皮革などを専門に扱ってきたノウハウを活かし、品質の高い製品を企画販売しています。