セールスマンサンプルとは
セールスマンサンプルとは、展示会や商談で受注活動に用いるため、本生産に近い仕様と外観で作製する販売用の見本製品です。
定義と工程上の位置づけ
セールスマンサンプルは、営業担当者や展示会でバイヤーに企画内容を伝え、受注を得るために作る製品見本です。略してSMSと呼ばれることもあります。量産前に、デザイン、色、素材、付属、縫製仕様を見せられる状態にまとめます。
一般的には、企画確認用のファーストサンプルや仕様・フィッティングを詰めるサンプルの後に作製します。ただし、展示会日程を優先する場合は、仕様確定と並行して進めることもあります。
他のサンプルとの違い
ファーストサンプルは、主に企画意図、シルエット、パターンの初期確認を目的とする試作品です。これに対してセールスマンサンプルは、販売先に見せることを目的とするため、見栄え、色展開、サイズ表示、付属の完成度がより重視されます。
PPサンプルは量産開始前に、生産ライン、縫製仕様、品質基準を最終承認するための見本です。TOPサンプルは量産品の初期に抜き取って量産状態を確認する見本であり、販売用のセールスマンサンプルとは確認する時点と目的が異なります。
作製の進め方
作製前には、仕様書、パターン、寸法表、使用生地と付属の情報をそろえ、提出日と確認担当者を明確にします。展示用では配色やサイズを複数用意することがあるため、色ごと、サイズごとに使用材料と仕様の差異を管理します。
サンプル到着後は、デザインだけでなく、着用時のバランス、縫製の始末、付属の取付位置、ネームや下げ札の表記も確認します。修正点は口頭だけで済ませず、写真、寸法、該当箇所を記した指示書で工場へ共有します。
- 展示会日から逆算し、材料手配、縫製、加工、検品、輸送の期間を分けて管理します。
- 色名、サイズ、サンプル番号を製品と管理表の両方に記載します。
- 量産に採用しない代替材料を使う場合は、その内容を明記します。
発注と品質の注意点
セールスマンサンプルでは、本生産と同じ生地や付属が間に合わず、近い材料で代用する場合があります。この場合、受注後に量産品の色、風合い、厚み、金具の色調などが変わる可能性があるため、営業資料と社内の量産指示に差異を残さないことが重要です。
展示での印象は受注に影響するため、汚れ、糸始末、縫いじわ、左右差、プリントや刺繍の位置を確認します。一方で、展示用に仕上がっていても量産可能とは限りません。工場の工程、許容できる品質、材料の供給条件を別途確認して量産仕様を確定します。
受注後の管理
展示会で受注した内容は、セールスマンサンプルの仕様を基準にしつつ、確定した生地、付属、サイズ、納期、数量へ置き換えて管理します。受注時点の見本を保管し、修正履歴とともに参照できるようにすると、営業部門と生産部門の認識違いを防ぎやすくなります。
量産に進む前には、セールスマンサンプルで見せた内容と量産仕様の差分を確認します。色ぶれや付属変更など販売先への説明が必要な事項は、出荷後ではなく生産決定前に共有することが必要です。
よくある質問
セールスマンサンプルとPPサンプルの違いは何ですか。
セールスマンサンプルは展示会や商談で販売先に見せるための見本です。PPサンプルは量産開始前に、工場の生産仕様、縫製品質、材料、加工条件を承認するための見本です。前者は販売活動、後者は量産可否の確認を主な目的とします。
セールスマンサンプルは量産品と同じ材料で作る必要がありますか。
原則として量産予定の材料を用いると、販売先への説明と量産管理がしやすくなります。ただし納期や材料手配の事情により代替材料を使う場合もあります。その際は、量産品と異なる箇所、変更予定、確認時期を記録して関係者へ共有します。
展示会用サンプルで優先して確認する点は何ですか。
全体のシルエット、色と素材の見え方、付属の外観、縫製始末、加工位置、表示内容を確認します。あわせて、展示中の汚れや破損に備え、予備の見本や補修方法を準備します。量産時の品質基準と異なる点があれば、社内で明確に管理します。





