上代・下代とは
上代・下代とは、アパレルや生地・付属の取引で、上代を販売時の小売価格、下代を取引先へ卸す価格として用いる価格区分です。
定義と概要
上代は、一般に消費者へ販売する際の価格を指し、値札や商品企画の価格設定で用いられます。下代は、メーカー、卸売業者、小売業者など取引先に提示する卸売価格を指します。
ただし、下代は取引する立場によって指す価格が変わることがあります。生地を仕入れるアパレルメーカーにとっての下代と、完成品を小売店へ卸すブランドにとっての下代は同じ金額ではありません。
生地取引で使う場面
生地・付属の仕入れでは、見積書、発注書、商談時に、反単位、メートル単位、ヤード単位などの下代を確認します。この価格は原価計算に入り、縫製費、加工費、物流費などと合わせて製品原価を検討します。
生地自体に参考上代が示される場合は、最終消費者向けの販売を想定した参考情報として扱います。実際の仕入価格、加工の有無、発注量、納入条件を表す下代とは、目的と価格の基準が異なります。
- 生地・付属の単価と単位
- 最低発注量と数量別の単価
- 染色、加工、裁断などの追加費用
- 運賃、梱包費、支払条件を含むかどうか
価格設定と数字の見方
上代と下代の関係は掛け率で表すことがあります。下代を上代で割った割合、または上代に一定の割合を掛けて下代を求める方法ですが、どちらを基準にした表現かは必ず確認します。
掛け率や利益率に業界共通の固定した目安はありません。商品区分、販売経路、数量、返品条件、セールの有無などで変わるため、企画段階では製品原価と販売に必要な費用を分けて試算することが重要です。
確認するポイントと注意点
価格を確認するときは、税抜きか税込みか、単価の単位、数量条件、有効期限を明記します。上代は希望小売価格なのか実売を想定した価格なのか、下代は値引き前か値引き後かも確認すると行き違いを防げます。
「原価」と下代は同義ではありません。原価には材料費だけでなく、縫製、加工、検品、輸送、企画に関する費用などが含まれ得ます。また、工賃は加工・縫製作業に対する費用であり、製品または生地の下代とは区別します。
よくある質問
上代と下代の差額は利益ですか。
必ずしも利益そのものではありません。上代と下代の差額から、販売側の物流費、店舗運営費、販売手数料、値引きや返品に関する負担などが支払われます。下代側も材料費、工賃、加工費などを負担するため、差額だけで利益額は判断できません。
生地の見積もりでは何を確認すればよいですか。
単価だけでなく、メートルまたは反などの価格単位、税の扱い、発注数量による単価差、加工費、運賃、納期、支払条件を確認します。色数や別注の有無で条件が変わる場合もあるため、見積もりの適用条件を文書で残します。
掛け率と利益率は同じですか。
同じ意味ではありません。掛け率は上代と下代の価格関係を示す取引上の割合です。一方、利益率は売上から原価や必要経費を差し引いた利益の割合です。会話では混同されることがあるため、算出式と基準となる金額を確認します。





