PTTとは
PTTとは、ポリトリメチレンテレフタレートを主成分とするポリエステル系の合成繊維で、やわらかな風合いと伸長回復性を生かして衣料用生地などに用いられます。
定義と概要
PTTは、ポリエステルの一種であるポリトリメチレンテレフタレートの略称です。糸の設計、織編組織、仕上げ加工、ほかの繊維との混用によって性質が変わるため、素材名だけで生地の性能を判断せず、規格や試験結果を確認します。
衣料分野では、PTT単独だけでなく、ポリエステルやポリウレタンなどと組み合わせた糸・生地にも使われます。一部に植物由来原料を用いるPTTポリマーもありますが、由来や配合率は製品ごとに異なります。
風合いと機能の特徴
PTT繊維は、一般的なポリエステルと比べて、やわらかくしなやかな風合いを表現しやすい素材です。糸や生地の構造によっては、ふくらみ、クッション性、ドレープ性を持たせることができます。
また、伸びた後に戻ろうとする伸長回復性を生かし、動きに追従するストレッチ性を付与しやすい点が特徴です。ポリウレタンを使用しないストレッチ素材として設計される場合もありますが、伸縮性能は混用率や組織に左右されます。
見た目は、マットから光沢のある表情まで糸の断面、撚り、織編組織、加工によって幅があります。PTTという素材名自体が、特定の光沢感や表面感を示すわけではありません。
主な用途
伸縮性と回復性、やわらかな着用感を生かし、パンツ、スカート、ワンピース、ジャケット、シャツ、カットソーなどに用いられます。動作のしやすさが求められるスポーツウェア、ユニホーム、軽衣料にも適します。
薄地から中肉の織物・ニットまで設計できるため、用途は生地構造によって異なります。タフタのような高密度織物では軽快なアウター用途に、編地ではフィット感を求めるアイテムに使われることがあります。
選び方と取り扱いの注意点
生地選定では、混用率だけでなく、伸長率と伸長回復率、目付、厚み、組織、洗濯後の寸法変化を確認します。同じPTT混用でも、織物かニットか、ポリウレタンを併用するかによって、必要なゆとり量や縫製条件は異なります。
縮みや熱による風合い変化は、生地の設計と仕上げにより差があります。量産前には、想定する洗濯方法、タンブル乾燥、アイロン、接着芯プレスの条件で試験し、縫製後のパッカリングや縫い目の伸びも確認します。
縫製では、伸びやすいニットやストレッチ織物の場合、地の目を整えて裁断し、送り量や糸調子を生地に合わせます。高温のアイロンやプレスはテカリ、アタリ、形状変化につながることがあるため、端布で予備試験を行います。
- 洗濯・アイロン条件は、生地ごとの洗濯表示と試験結果を優先します。
- 濃淡配色や別素材との組み合わせでは、色移りと熱による差異を事前に確認します。
- ロットにより色や風合いに差が出る場合があるため、追加生産ではロット管理を行います。
似ている用語との違い
ポリエステルは、特定の化学構造をもつ合成繊維の総称として広く使われる名称です。PTTはその一種であり、一般的なポリエチレンテレフタレートを主成分とするポリエステルとは区別されます。
PBTもPTTと同じくポリエステル系の合成繊維です。いずれも用途によってストレッチ性や回復性を生かしますが、ポリマーの種類、糸の性質、加工適性は同一ではありません。素材表示や規格書で正確な混用を確認します。
ポリウレタンは大きな伸縮性を付与する弾性繊維であり、PTTとは別の素材です。PTTはポリウレタンを混用せずに伸びと回復を狙う設計にも用いられますが、両者のストレッチ性能を同じものとして扱うことはできません。
よくある質問
PTTはポリエステルですか?
PTT生地は洗濯で縮みますか?
洗濯後の寸法変化は、PTTの混用率だけでは決まりません。織物・ニットの構造、仕上げ加工、ほかの繊維との混用、洗濯・乾燥条件の影響を受けます。量産前に製品状態で洗濯試験を行い、洗濯表示を決定します。
PTT生地の縫製で注意することは何ですか?
ストレッチ性のあるPTT生地では、裁断時の地の目、縫い伸び、パッカリングを確認します。生地に合う針、糸、送り、糸調子を設定し、縫い目が伸びに追従するか試縫いします。プレス条件はテカリやアタリも含めて端布で確認します。





