伸長率とは
伸長率とは、ゴムやストレッチ素材を一定の条件で引っ張った際に、元の長さに対してどの程度長くなったかを百分率で表す性能値です。
定義と概要
伸長率は、試料の元の長さを基準として、引張時に増えた長さの割合を示します。ゴムや伸縮性生地、テープなどの伸びやすさを比較するために用いられ、一般に百分率で表示されます。
ただし、表示値は測定時の荷重、引張速度、試料の幅や長さ、測定方向などにより変わります。そのため、数値だけで異なる製品の実使用時の伸びを一律に判断することはできません。
素材と構造による違い
ゴム資材では、ポリウレタンなどの弾性をもつ素材と、表面を構成する繊維・糸の組み合わせが伸長率に関わります。素材の配合だけでなく、糸の太さ、打込みや編み密度、仕上げも伸び方に影響します。
織ゴムは織組織による安定感をもち、編ゴムは編み目の動きによって伸縮しやすい傾向があります。組ゴムは組構造により丸みや柔軟性を出しやすく、用途に応じて幅方向や長さ方向の挙動を確認します。
幅と伸びの表し方
ゴムの幅は、伸ばしていない状態の製品幅で示されることが一般的です。使用時に引っ張ると長さだけでなく幅が細くなる場合があるため、仕上がり寸法の検討では実際の伸長状態で幅も確認します。
商品情報で「何倍まで伸びる」と表現される場合もありますが、これは元の長さに対する到達長さを示す表現です。伸長率とは基準が異なることがあるため、元長と引張後の長さ、測定条件を確認します。
- 例として、元の長さから増加した分を元の長さで割って百分率にした値が伸長率です。
- 幅、伸長率、必要な引張力は別々の仕様として確認します。
主な用途と選び方
伸長率は、ウエストや袖口、裾、下着、スポーツウェア、マスク周辺など、フィット性や着脱性が求められる箇所で重要です。必要な可動域と、締め付け感を抑えたい程度の両方から選定します。
同じ伸長率でも、伸ばすために必要な力が異なれば着用感は変わります。試作では、実際の縫い付け長さ、伸ばして縫う量、生地の伸び、縫製後のギャザー量を確認し、着用試験で調整することが大切です。
伸びの戻りと取り扱いの注意
伸長率は伸びる大きさを示す値であり、伸ばした後に元へ戻る性質そのものを示すものではありません。繰り返し伸ばした後の戻り、残った伸び、経時変化を確認し、伸びの戻りが必要な用途では試験を行います。
ゴム資材は、熱、紫外線、汗や皮脂、洗剤などの影響で劣化する場合があります。洗濯や乾燥の条件は製品仕様に合わせ、強く引き伸ばした状態での保管を避けることで、性能低下のリスクを抑えます。
よくある質問
伸長率が高ければ、伸びの戻りも良いですか?
必ずしも良いとは限りません。伸長率はどこまで長くなるかを示す値で、伸ばした後にどの程度元へ戻るかは別の性質です。用途に応じて、繰り返し伸長後の残留伸びや回復性も確認してください。
ゴムの伸長率は、縫製時にどのように使いますか?
ゴムの上がり寸法と、装着時に必要な長さを検討する目安になります。ただし、生地の伸びや縫い込み量、必要な締め付け感でも結果が変わるため、仕様値だけで決めず試作で確認することが必要です。
伸長率とストレッチは同じ意味ですか?
ストレッチは、素材や製品が伸びる性質全般を指すことが多い表現です。一方、伸長率は引張によって増えた長さを割合で示す測定値です。ストレッチ性を評価する際の指標の一つとして伸長率が用いられます。





