革ボタンとは
革ボタンとは、天然皮革を表面または本体に用いたボタンで、革特有の色むらや質感を生かし、主にジャケット、コート、バッグなどに使用される服飾付属です。
定義と概要
革ボタンは、天然皮革を使ったボタンの総称です。革を成形して本体とするもののほか、芯材の表面を革で包むものもあります。部位やなめし、染色の違いにより、同じ品番内でも色調やしわの出方に個体差が生じることがあります。
本革ボタンやレザーボタンとも呼ばれます。合成皮革を用いたボタンは見た目が似る場合がありますが、素材としての革ボタンとは区別して扱います。仕様書では、天然皮革であること、表面革か芯まで革かを確認すると認識のずれを抑えられます。
素材と構造
革ボタンには、表側から糸を通す穴あき型と、裏面の足に糸を掛ける足つき型があります。穴あき型は二つ穴や四つ穴が多く、足つき型にはカン足やトンネル足などがあります。形状によって厚み、縫い付け位置、服地からの浮き方が変わります。
革は繊維方向を持つ天然素材のため、穴周辺に強い力が繰り返し加わると、伸び、裂け、割れにつながることがあります。穴の大きさと数、足の強度、ボタンの厚みを確認し、使用頻度や生地の厚みに合う構造を選ぶことが重要です。
- 穴あき型:二つ穴、四つ穴など。表面に縫い糸が見える仕様です。
- 足つき型:裏面の足に糸を通すため、表面の意匠を見せやすい仕様です。
- 革包み型:芯材に革をかぶせた構造で、革の端部や接着状態の確認が必要です。
サイズの表し方
革ボタンのサイズは、直径をmmで示すほか、リーニュでも表します。リーニュはボタン用の慣用単位で、一般に1リーニュは0.635mmです。表示方法が異なる場合があるため、発注や仕様書ではリーニュだけでなく実寸の直径も併記すると確認しやすくなります。
選定時は直径に加え、厚み、足の高さ、穴径を確認します。同じ直径でも厚いボタンや足の高いボタンでは、ボタンホールのかがり量や開き具合に影響します。量産前には実際の生地と芯地でボタンホールとの相性を確認します。
主な用途と選定
革の落ち着いた表情を生かし、ジャケット、コート、ブルゾン、カーディガンなどの前開きや袖口に用いられます。バッグの開閉部や装飾として使われることもあります。ウール、ツイード、デニムなど、厚みや素材感のある生地と合わせると全体のバランスを取りやすくなります。
用途に応じて、着脱時の荷重、洗濯の有無、裏地や生地の厚みを考慮します。前中心など強い力がかかる箇所には、必要に応じて力ボタンを裏側に添え、生地への負担を分散させます。衣料用と服飾雑貨用では求められる耐久性も異なります。
付け方と取り扱いの注意
縫い付けには、穴や足の幅に通る太さのボタン付け糸を選びます。糸を強く締め過ぎると革の穴周辺に負荷が集中するため、厚みのある生地では根巻きをして適度なすき間を設けます。足つき型は足の根元まで安定して縫い留め、引っ掛かりがないか確認します。
水分、汗、摩擦、熱は革の硬化、変形、ひび割れ、変色、色移りの要因になります。洗濯やドライクリーニングへの適性は、革のなめしや染色、ボタン構造によって異なります。製品洗いを行う場合は、事前試験で外観と強度を確認します。
アイロンを当てる際は、革ボタンに直接高温の熱や蒸気を加えないようにします。保管時は高温多湿や直射日光を避け、他の製品と強く密着させないことが大切です。濡れた場合はこすらずに水分を取り、形を整えて自然乾燥させます。
よくある質問
革ボタンは家庭洗濯できますか?
一律には判断できません。天然皮革は水分や洗剤、摩擦で硬化、色落ち、変形することがあり、芯材や接着部分にも影響します。洗濯可否はボタン単体ではなく製品の洗濯表示に従い、企画時には実際の洗濯条件で試験を行って確認します。
革ボタンのサイズはリーニュとmmのどちらで指定しますか?
ボタンではリーニュ表記が広く使われますが、仕様書や発注ではmmを併記する方法が実務的です。リーニュは一般に1リーニュが0.635mmで、換算値に加えて直径、厚み、穴径または足の高さを確認すると選定精度が上がります。
革ボタンと合成皮革ボタンの違いは何ですか?
革ボタンは天然皮革を用いるため、しわ、色むら、経年変化などに個体差が出ます。一方、合成皮革ボタンは人工素材で表面を構成したものです。外観だけでは判別しにくい場合があるため、素材表示、洗濯・クリーニング適性、経時変化を分けて確認します。





