レーザー加工とは
レーザー加工とは、集光したレーザー光の熱エネルギーを利用し、生地や付属に切断、穴あけ、表面の彫刻・変色などを施す加工です。
定義と概要
レーザー加工は、レーザー光を狭い範囲に集め、素材の一部を熱で除去したり、表面の色や質感を変化させたりする加工です。生地では柄の表現、透かし穴、端部の切断などに用いられ、ボタンなどの付属ではロゴや文字の表現にも使われます。
「レーザーカット」は生地を切り抜く、または裁断する用途を指すことが多く、「レーザー彫刻」は表面を削る、焦がす、色調を変える用途を指すことが多いです。ただし、これらをまとめてレーザー加工と呼ぶ場合もあります。
風合いと見た目の特徴
加工部分には、焦げ色、淡色化、凹凸、透かし模様など、素材と加工条件に応じた視覚的な変化が現れます。プリントのようにインクを載せず、素材そのものを変化させて柄を出せることが特徴です。
繊細な穴あき柄や細かな線、ロゴなどを表現しやすく、デニムの色落ち表現、レース調の透かし、合成皮革の表面意匠などに活用されます。一方で、熱の影響により加工部が硬くなったり、変色したりすることがあります。
- 加工結果は繊維の種類、色、厚み、組織、毛羽の有無で変わります。
- 熱で溶ける合成繊維は、切断端が固くなったり、溶融して縁が固まったりする場合があります。
- 天然繊維は、加工条件によって焦げや黄変が目立つ場合があります。
主な用途と適したアイテム
レーザー加工は、シャツやブラウスの透かし柄、カットソーの通気孔、デニムやツイルのユーズド調表現、スエード調素材の柄出しなどに用いられます。裁断と意匠表現を兼ねられる場合があるため、細部のデザインにも向きます。
通気性を高めるための穴あけは、スポーツウェア、アウトドアウェア、春夏向けの軽衣料で検討されます。ただし、穴あけ加工だけで衣服全体の快適性や耐久性が保証されるわけではなく、生地設計と用途を合わせて判断する必要があります。
選び方と取り扱いの注意点
企画時には、本生産と同じ素材・色・加工条件で試作し、加工柄の再現性、変色、加工部の強度、肌当たりを確認します。濃色と淡色、天然繊維と合成繊維では見え方や熱への反応が異なるため、色違いを含めた確認が重要です。
加工によって生地の組織や繊維が一部除去・変化するため、洗濯後に加工端がほつれる、丸まる、伸びることがあります。洗濯条件は素材と加工仕様に従い、量産前には洗濯試験と寸法変化の確認を行います。
縫製では、穴あき部や彫刻部をまたぐ縫い目が生地を弱めることがあります。縫い代やステッチ位置を加工柄から離す、補強布を併用するなど、パターンと縫製仕様をあらかじめ検討します。
似ている加工との違い
プリントは染料や顔料などを生地表面に付与して柄を表す加工です。レーザー加工は熱によって生地自体を変化させるため、柄の触感、裏面の見え方、耐久性の確認方法がプリントとは異なります。
エンボス加工は、熱や圧力で凹凸模様を付ける加工です。レーザー加工でも凹凸感が出ることはありますが、切り抜きや表面の除去、変色を伴う表現まで含む点が異なります。カットワークは穴あき模様の仕上がりを指し、レーザー加工はその穴を作る手段の一つです。
よくある質問
レーザー加工をした生地は洗濯で縮みますか。
縮みの程度は、加工の有無だけでなく、繊維の種類、組織、事前の防縮処理、洗濯方法によって異なります。レーザー加工部は熱の影響を受けているため、量産前に製品状態で洗濯し、寸法変化、端部のほつれ、変色を確認することが大切です。
レーザーカットした生地は端始末が不要ですか。
レーザー加工とプリントはどのように使い分けますか。
色数の多い図柄や写真調の表現にはプリントが検討され、素材の色差、焦がし感、透かし穴、彫刻調の表現にはレーザー加工が検討されます。求める見た目に加え、素材への熱影響、加工範囲、洗濯後の変化を比較して選定します。





