国・言語・通貨の設定
国・言語・通貨を変更するには、新規会員登録またはログインしてください。
ApparelX Wikiゴム用語集

加水分解とは

定義

加水分解とは、素材中の化学結合が水分や湿気により切断され、強度低下、べたつき、ひび割れ、剥離などの劣化を生じる現象です。

別名加水分解劣化耐加水分解耐加水分解性
目次6項目
  1. 定義と概要
  2. 対象素材と構造
  3. 伸びと用途での確認点
  4. 選び方と取り扱いの注意
  5. 似ている用語との違い
  6. よくある質問

定義と概要

加水分解は、水分が素材の化学結合に作用して分子の結び付きを変化・切断し、性能を低下させる劣化現象です。高温多湿の環境では進みやすく、使用していない保管中にも起こる場合があります。

アパレル資材では、ポリウレタンを用いる合成皮革、コーティング、ラミネート、接着剤、ゴム系材料などで注意されます。表面のべたつき、硬化、粉化、ひび割れ、層の剥離として現れることがあります。

対象素材と構造

加水分解の起こりやすさは、素材の種類、配合、樹脂の設計、表面加工、使用環境によって異なります。ポリウレタンを含む資材では、耐加水分解性を性能項目として確認することが実務上重要です。

織ゴム、編ゴム、組ゴムというつくり方自体が加水分解の有無を決めるわけではありません。ゴム糸、被覆糸、接着層などの構成素材と、汗や洗濯、水分にさらされる用途を合わせて確認します。

  • 織ゴム:織組織でゴム糸を固定した平らなゴムです。
  • 編ゴム:編組織による、比較的やわらかな風合いのゴムです。
  • 組ゴム:組み構造で作られる、丸形や平形のゴムです。

伸びと用途での確認点

ゴム資材では、幅に加えて伸長率、伸長応力、伸長回復率を確認します。伸長率はどこまで伸びるか、伸長応力は一定量伸ばすための力、伸長回復率は伸ばした後に元へ戻る程度を示す指標です。

加水分解などの経時劣化が進むと、伸びの戻りが弱くなる、硬くなる、切れやすくなることがあります。ウエスト、袖口、インナー、スポーツ用途など、反復伸縮や汗・湿気を受ける部位では特に評価が必要です。

選び方と取り扱いの注意

選定時は、耐加水分解性の試験条件と評価基準を確認し、実際の用途に近い温湿度、洗濯、汗、伸縮の条件で試作評価します。耐加水分解性がある表示でも、すべての環境で劣化しないことを意味するものではありません。

保管では高温多湿や密閉状態を避け、濡れたまま長時間放置しないことが基本です。製品の洗濯・乾燥は表示に従い、熱や洗剤、漂白剤の影響も素材ごとに確認します。劣化後の弾性や表面状態は回復しにくいため、予防的な管理が重要です。

似ている用語との違い

加水分解は水分が関与する化学的な劣化です。単に引っ張り続けて伸びが戻らなくなる現象とは原因が異なりますが、いずれもゴムの伸長回復性を低下させるため、使用時には区別して原因を確認します。

耐加水分解性は、加水分解への耐久性を表す性能です。一方、洗濯耐久性は洗濯を繰り返した際に機能や外観を保つ性質であり、加水分解だけでなく摩擦、熱、洗剤、機械力などの影響も含みます。

よくある質問

加水分解したゴムや合成皮革は元に戻りますか。

加水分解によって起きたべたつき、ひび割れ、剥離、弾性低下は、基本的に元の性能へ回復させることが困難です。表面を拭くなどの応急処置では原因を解消できないため、劣化の程度に応じて資材または製品の交換を検討します。

耐加水分解性があれば長期保管しても問題ありませんか。

耐加水分解性は、定められた試験条件に対する耐久性の評価であり、あらゆる保管環境で劣化しないことを保証するものではありません。高温多湿、密閉、濡れた状態での放置を避け、資材ごとの保管条件と試験内容を確認します。

ゴムの伸びが戻らない原因は加水分解ですか。

原因は加水分解に限りません。繰り返し伸縮による疲労、熱、紫外線、汗や洗剤、保管時の圧縮、素材固有の経年変化などでも伸長回復率は低下します。使用環境と劣化状態を確認し、必要に応じて試験で判定します。

この用語に関連する商品を探す
関連用語
この用語をシェア