TPUとは
TPUとは、加熱により軟化して成形できる熱可塑性ポリウレタンで、弾性、耐摩耗性、柔軟性を生かしてフィルム、コーティング、パーツなどに用いられる素材です。
目次6項目
定義と概要
TPUは熱可塑性ポリウレタンを指す樹脂素材です。熱を加えると軟化し、冷却すると形状が安定する性質を持ちます。繊維そのものとしてだけでなく、フィルム、シート、コーティング、成形部品として衣料や服飾資材に使われます。
柔らかく伸びる性質を持つグレードから、比較的硬さのあるグレードまであり、用途に応じて設計されます。そのため、TPUという名称だけでは厚み、硬度、透明性、伸縮性、耐水性などの仕様は判断できません。
特徴と見た目
TPUはゴムのような弾性と、樹脂らしい耐摩耗性を併せ持つことが特徴です。透明または半透明のフィルムとして用いられる場合は、光沢感のある滑らかな見た目になりやすく、着色や表面加工により外観を変えられます。
フィルムやコーティングにした場合は、水を通しにくくする用途にも活用されます。ただし、防水性、透湿性、黄変、耐候性、耐加水分解性は製品設計や加工構成によって異なるため、必要な性能試験の確認が重要です。
- 弾性と伸長回復性を生かしやすい素材です。
- 擦れや摩耗への強さが求められる部分に用いられます。
- 透明性、光沢、硬さはグレードと厚みによって変わります。
- 低温環境での柔軟性や耐薬品性も、用途に合わせて確認します。
主な用途
衣料では、レインウェアやアウトドア衣料のフィルムやラミネート層、スポーツ衣料の補強・意匠パーツ、伸縮性を必要とする副資材などに用いられます。水濡れや摩擦を受けやすい箇所では、表地との組み合わせを考慮して採用されます。
バッグ、靴、ベルト類では、透明窓、補強材、パーツ、表面材などに使われます。春夏向けの軽量な透明アイテムから、秋冬向けの防風・防水を意図した積層素材まで、季節性はTPU単体ではなく生地構成によって決まります。
選び方と取り扱いの注意点
選定時は、用途に必要な硬度、厚み、透明性、伸縮性、接着性、耐摩耗性を確認します。フィルムやラミネート生地では、表地との密着性、屈曲による白化や割れ、洗濯後の外観変化も試作段階で評価すると安心です。
TPU自体の寸法変化だけでなく、貼り合わせた表地や裏地の縮みが製品寸法に影響します。洗濯、乾燥、ドライクリーニングへの適性はグレードと積層により異なるため、素材供給元の取扱条件に従い、量産前に洗濯試験を行います。
縫製では、針穴が目立ちやすいこと、送りによって表面に傷や擦れが生じることがあります。細い針や適切な押さえを用い、縫い目の防水性が必要な製品ではシームテープなどによる止水仕様を別途検討します。高温のアイロンやプレスは変形、光沢変化、貼り付きの原因になり得ます。
似ている用語との違い
ポリウレタンは、ウレタン結合を持つ材料全般を指す広い名称です。TPUはそのうち、加熱で軟化して再成形しやすい熱可塑性のポリウレタンを指します。一方、衣料のストレッチ混用でいうポリウレタンは、弾性繊維として使われるものを指す場合があります。
合成皮革は、基布に樹脂層を設けて天然皮革に似た外観や性能を持たせた材料です。TPUは合成皮革の表面樹脂やフィルムとして使われることがありますが、TPUそのものが必ず合成皮革を意味するわけではありません。
よくある質問
TPUとポリウレタンは同じですか。
TPUはポリウレタンの一種ですが、加熱により軟化して成形しやすい熱可塑性の材料を指します。一般にポリウレタンと表記される素材には、弾性繊維、発泡体、塗膜なども含まれるため、用途や形状まで確認する必要があります。
TPUは家庭洗濯できますか。
洗濯できるかは、TPUの種類、フィルムやコーティングの構成、貼り合わせる生地によって異なります。高温乾燥や強い熱、溶剤によって変形や剥離が起こる場合があるため、製品ごとの洗濯表示と素材仕様を確認してください。
TPUフィルムを縫う際の注意点は何ですか。
針穴が残りやすく、表面が押さえや送り歯で傷付きやすいため、試し縫いで針、糸、押さえ、縫い目を確認します。防水性を求める場合、縫製だけでは針穴を防げないため、シームテープなどの処理を検討します。





