伸長応力とは
伸長応力とは、ゴムや伸縮性のあるテープを一定の長さまで伸ばしたときに必要となる力を示す特性で、締め付け感や保持力を判断する目安です。
定義と概要
伸長応力は、試料を所定の割合まで伸ばした際に生じる応力、または必要な引張力を指します。資材分野ではモジュラスと呼ばれることもあり、ゴムの伸ばしにくさ、すなわち締め付ける力の目安として用いられます。
同じ長さまで伸ばしても、伸長応力が高いゴムは大きな力を必要とし、着用時の保持力も強くなりやすい傾向があります。ただし、実際の着用感は幅、厚み、肌当たり、縫製仕様にも左右されます。
伸長率と伸長回復率との違い
伸長率は、元の長さに対してどれだけ長く伸びるかを割合で示す値です。伸長応力は、一定の伸長率に達するまでに必要な力を示すため、伸びる量ではなく伸びに対する抵抗の強さを表します。
伸長回復率は、伸ばした後にどの程度元の長さへ戻るかを示す性質です。よく伸びるゴムでも、伸長応力が低ければ保持力は弱くなり得ます。また、回復性が低いと使用後に伸び残りが起こりやすくなります。
- 伸長率:どこまで伸びるか
- 伸長応力:一定まで伸ばすのにどれだけ力が要るか
- 伸長回復率:伸ばした後にどれだけ戻るか
素材と構造による変化
ゴムテープは、ゴム糸などの弾性素材を織り、編み、または組みの構造で包み込んで作られます。用いる弾性素材の種類、太さや本数、周囲を構成する糸、組織によって、同じ幅でも伸長応力と風合いは変わります。
一般に、織ゴムは形が安定しやすく、編ゴムはやわらかな風合いになりやすいなど、構造ごとに特性の傾向があります。組ゴムは丸ゴムやコード状の製品にも用いられ、断面形状に応じた伸び方と力のかかり方をします。
幅と伸びの表し方
ゴムやストレッチテープの仕様は、幅と伸長率に加え、特定の伸長率での伸長応力を確認して選びます。幅が広くなると身体へ接する面積が増えるため、同じ素材・構造でも感じる締め付けや保持のしかたは異なります。
比較するときは、測定した伸長率、試料の幅、単位、試験条件がそろっているかを確認します。異なる伸長率で測定された値や、幅当たりと製品全体の力を示す値は、そのまま単純比較できません。
用途と選び方・取り扱い
伸長応力は、ウエスト、袖口、下着、スポーツ衣料、マスクの耳掛けなど、フィット性やずれにくさが求められる部位で重要です。身体への圧迫を抑えたい部位には低めのもの、しっかり保持したい部位には必要な伸長域で十分なものを選びます。
長時間の伸長、熱、紫外線、汗や洗剤の影響により、ゴムは硬化、べたつき、ひび割れ、伸び残りなどを生じることがあります。量産前には実使用に近い伸ばし量で縫製見本を確認し、洗濯後の寸法、回復性、外観を評価することが大切です。
よくある質問
伸長応力が高いゴムほど、よく伸びますか。
ゴムテープは幅だけで締め付け感を選べますか。
幅だけでは判断できません。締め付け感には、伸長応力、伸長率、厚み、組織、使用する長さ、縫い付け時の伸ばし量が関係します。同じ幅でも特性は大きく異なるため、縫製見本を作り、着用時の圧迫感と保持力を確認します。
洗濯後にゴムがゆるむ場合、何を確認しますか。
伸長回復率だけでなく、洗濯と乾燥後の伸長応力、寸法変化、外観を確認します。熱や薬剤、長期の伸長による劣化で保持力が低下する場合があります。製品の洗濯条件と想定使用回数に合わせた評価を行うことが重要です。





