ヒートセットとは
ヒートセットとは、主に熱可塑性繊維を熱と張力で処理し、寸法や形状を安定させ、しわ・プリーツ・幅などを定着させる加工です。
目次5項目
定義と概要
ヒートセットは、熱を加えると形が変わり、冷却後にその状態を保ちやすい熱可塑性繊維の性質を利用する整理加工です。生地を所定の幅や長さに整え、熱処理によって寸法や形状を安定させます。
主にポリエステルやナイロンを含む織物・ニットで行われます。染色や機能加工の前後に工程として組み込まれることもあり、加工名が素材名や織物組織を示すものではない点が重要です。
特徴
生地の幅、長さ、伸縮の状態を整えやすく、後工程や製品使用時の寸法変化を抑えることに役立ちます。熱で成形したプリーツ、しぼ、立体感などの外観を定着させる目的にも用いられます。
熱セット後の風合いは、繊維の種類、生地組織、温度、張力、後加工によって変わります。ハリや平滑性が出る場合がある一方、過度な熱や張力は、硬さ、光沢、伸びの低下などにつながることがあります。
主な用途
寸法安定性や形状の維持が求められるポリエステル、ナイロン系の衣料生地に用いられます。シャツ、ブラウス、パンツ、スカート、ワンピース、ジャケット、スポーツウェア、ユニホーム、アウターなど、用途は幅広くあります。
プリーツの外観を生かすスカートやドレス、ストレッチ性を管理したいニット、合成繊維のタフタやトリコットなどでも関連する工程です。季節を限定する加工ではなく、生地の素材・設計と必要な外観に応じて採用されます。
選び方と取り扱いの注意点
生地を選ぶ際は、ヒートセットの有無だけでなく、混用率、仕上がり幅、目付、縮率、ストレッチ性、洗濯後の寸法変化を確認します。プリーツや形状維持を目的とする場合は、製品状態での洗濯試験も行うと安心です。
縫製時のアイロンやプレスは、生地の耐熱性に合わせて温度と時間を管理します。特に熱可塑性繊維は高温でテカリ、収縮、変形、アタリが起こることがあるため、当て布の使用や端布での事前確認が必要です。
ヒートセットは防縮加工や形態安定加工と目的の一部が重なりますが、同義ではありません。防縮加工は洗濯などによる縮みの抑制、形態安定加工はしわや外観の維持を主目的とするのに対し、ヒートセットは熱による寸法・形状の定着を指します。
- 混紡生地では、各繊維の耐熱性と収縮差を確認します。
- 裁断前に放反し、生地の巻きぐせやテンションを落ち着かせます。
- 量産前にプレス、洗濯、乾燥後の外観と寸法を確認します。





