ナットボタンとは
ナットボタンとは、タグアヤシの種子の胚乳部を削り出して作る、象牙に似た緻密な質感と天然素材特有の表情を持つボタンです。
定義と素材の特徴
ナットボタンは、主に中南米原産のタグアヤシの種子の内部にある硬い胚乳部を原料とする天然素材のボタンです。英語ではコロゾナットボタンと呼ばれ、コロゾ、タグアの名称でも流通します。
緻密で硬質な素材感があり、表面には木目状の模様や色むらなど、原料由来の個体差が現れます。染色品でも均一になりすぎないことがあり、天然素材らしい表情としてデザインに生かされます。
形状とサイズの表し方
ナットボタンには、表面に穴を開けて縫い付ける二つ穴・四つ穴のほか、裏面の足に糸を通す足つきボタンがあります。穴あきはシャツやジャケットの前開きに、足つきは厚地や立体的に見せたい箇所に用いられます。
ボタンの直径はmmのほか、リーニュで表記されます。1リーニュは約0.635mmで、リーニュ数に0.635を掛けるとおおよそのmm寸法を確認できます。実際の仕上がり寸法、厚み、穴径は品番ごとに確認します。
- 二つ穴・四つ穴:穴に糸を通して縫い付ける形状です。
- 足つき:裏面の足に糸を通すため、表面に縫い糸が見えにくい形状です。
- リーニュ:ボタン径に使われる伝統的な単位です。
主な用途と選定
ジャケット、スーツ、コート、シャツ、ブラウス、カーディガンなどに用いられます。天然素材の落ち着いた光沢と温かみがあり、クラシック、ナチュラル、ワーク調のデザインとも合わせやすい素材です。
選定時は、見た目の直径だけでなく、厚み、穴数または足の種類、穴径、ボタンホールとの相性を確認します。同じ色番でもロットや個体で色調・模様が異なることがあるため、製品内での組み合わせも確認が必要です。
付け方と取り扱いの注意
穴あきボタンは、生地の厚みを考慮して根巻きを行い、ボタンと生地の間に適度なゆとりを持たせます。厚地へ強く密着させて縫い付けると、ボタンホールを通す際に負荷がかかりやすくなります。
天然素材のため、強い衝撃や過度な力で割れ・欠けが生じることがあります。洗濯、ドライクリーニング、アイロンは製品の洗濯表示とボタンの仕様を確認し、高温のアイロンを直接当てないようにします。長時間の水分、洗剤、薬剤への接触は、変色や風合い変化につながる場合があります。
似ている用語との違い
本水牛ボタンは水牛の角や骨由来の天然素材であり、ナットボタンとは原料が異なります。本水牛は層状の模様や深い色調が特徴で、ナットボタンは植物由来の緻密な質感と淡い木目状の表情が特徴です。
ユリアボタンやポリエステルボタンは樹脂製です。天然素材であるナットボタンに対し、これらは色・柄・寸法の均一性を得やすい一方、素材由来の個体差や質感は異なります。
よくある質問
ナットボタンのサイズは、mmとリーニュのどちらで確認すればよいですか?
仕様書や仕入先の表記に合わせて確認します。リーニュはボタン径の単位で、1リーニュは約0.635mmです。換算値は目安として用い、ボタンホール設計や量産前の確認では、実物の直径・厚み・穴径を測定することが重要です。
ナットボタンは家庭洗濯やドライクリーニングに使えますか?
使用可否はボタンの加工仕様と製品全体の洗濯表示によって判断します。天然素材のため、洗浄や乾燥、薬剤の条件によって色調や表面の風合いが変化する場合があります。採用前に実際の製品条件で洗濯・ドライ試験を行うと安心です。





