セルロイドとは
セルロイドとは、硝化綿を主成分として可塑剤を加えた初期の熱可塑性樹脂で、かつて衣料用ボタンなどに用いられた素材です。
定義と素材特性
セルロイドは、硝化綿に樟脳などを加えてつくる樹脂です。象牙、べっ甲、角などに似せた外観を表現しやすく、初期のプラスチック素材としてボタンや装飾品に使用されてきました。
一方で、セルロイドは熱や火気に弱く、経年による変色、収縮、ひび割れを生じることがあります。現在の衣料用ボタンでは、ポリエステル樹脂やユリア樹脂など、より安定した素材が多く用いられます。
形状とサイズ表示
セルロイド製のボタンには、表面に穴を設けて縫い付ける二つ穴、四つ穴、猫目などの形状と、裏面に足を設けた足つきの形状があります。穴あきはシャツやブラウスに、足つきは厚みや立体感を見せたい前開きに用いられます。
ボタンの直径は、mmのほかリーニュで表します。リーニュはボタン用の伝統的な寸法単位であり、仕様書では直径のmm表記も併記すると、企画、生産、検品の間で認識をそろえやすくなります。
主な用途と選定
セルロイドは、ヴィンテージ衣料の付属や、古い意匠を再現する衣装用ボタンとして見られることがあります。用途を検討する際は、見た目だけでなく、洗濯方法、保管環境、縫製時の負荷を含めて素材の適性を判断します。
量産衣料でセルロイド調の風合いを求める場合は、現行の樹脂製ボタンから、色柄、透明感、厚み、光沢を比較して選定する方法があります。セルロイドという名称が外観の印象を指す場合もあるため、実際の材質は仕様で確認が必要です。
付け方と取り扱いの注意
穴あきボタンは、生地との間にわずかなゆとりを持たせて縫い付け、必要に応じて根巻きをします。強く締め過ぎると、ボタンや生地に負荷が集中します。足つきボタンは足の根元に糸を強く食い込ませず、ぐらつきと糸切れを確認します。
セルロイドは高温、火気、長時間の強い光を避けて取り扱います。洗濯、ドライクリーニング、アイロンへの耐性は個体や加工状態で異なるため、製品化前に付属を含めた試験を行い、洗濯表示に適合するか確認します。
- アイロンはボタンに直接当てず、必要に応じて当て布を使用します。
- 変色、白化、べたつき、ひび割れがないか検品します。
- 密閉した高温環境や火気の近くで保管しません。
似ている用語との違い
セルロイドは素材名であり、二つ穴ボタン、四つ穴ボタン、猫目ボタン、足つきボタンは、穴や足の構造を示す名称です。同じセルロイドでも複数の構造をとり得るため、素材と形状は分けて指定します。
ポリエステルボタン、ユリアボタン、アクリルボタンも樹脂製ボタンですが、セルロイドとは原料と性質が異なります。外観が似ていても耐熱性、耐薬品性、経年変化は一律ではないため、素材名だけで同等と判断しません。
よくある質問
セルロイドボタンは家庭洗濯できますか。
一律には判断できません。セルロイドは熱、光、洗剤、摩擦などで外観や状態が変化するおそれがあります。家庭洗濯やドライクリーニングを想定する製品では、実際の生地、縫製仕様、洗浄条件を組み合わせて事前に評価することが必要です。
リーニュとmmはどちらで指定すればよいですか。
セルロイドとポリエステルボタンは同じですか。
同じではありません。どちらもボタンに用いられることがある樹脂系素材ですが、セルロイドは硝化綿を主成分とする初期の樹脂で、ポリエステルボタンとは組成や耐熱性、経年変化の傾向が異なります。材質表示を確認して選定します。





