制電糸とは
制電糸とは、繊維や糸に導電性を持たせて衣服や生地に発生した静電気を逃がし、ほこりの付着やまとわりつきを低減するために用いる糸です。
目次5項目
定義と概要
制電糸は、衣服や生地にたまる静電気を減らす目的で、導電性を持つ成分を用いた糸です。生地の経糸または緯糸に一定間隔で織り込むほか、編地の一部に編み込んで使用されます。
制電糸は導電糸と呼ばれることもあります。ただし、導電性繊維は幅広い導電性材料を指す場合があり、静電気対策を主目的とする制電糸よりも広い意味で用いられることがあります。
特徴
乾燥時に起こりやすい衣服のまとわりつき、脱衣時のパチパチ音、ほこりの吸着を低減しやすい点が特徴です。ポリエステルなど、静電気が発生しやすい合成繊維の生地で特に活用されます。
制電糸は生地全体に混ぜる場合だけでなく、格子やストライプ状に部分使いする場合もあります。この場合、筋や格子が見えることがあり、機能表示と意匠の両面から設計に取り入れられます。
風合い、光沢、硬さは、制電糸の種類、太さ、混用量、組織によって変わります。制電機能を付与しても、必ずしも生地全体の見た目や手触りが大きく変化するとは限りません。
主な用途
ユニフォーム、ワーキングウェア、事務服など、乾燥した環境で長時間着用する衣服に用いられます。ほこりが目立ちやすい用途や、衣服のまとわりつきを抑えたいアイテムにも適します。
静電気は秋冬の低湿度時に生じやすいため、秋冬向けの衣料で重視されます。一方で、素材構成や着用環境によっては年間を通じて対策が求められるため、季節だけで必要性を判断しないことが重要です。
- ユニフォーム、ワーキングウェア
- ジャケット、パンツ、スカート
- 白衣などの業務用衣料
- 裏地やポケット袋地などの副資材
選び方と取り扱いの注意点
選定時は、制電糸の配置、混用量、生地の組織に加え、求める制電性能の評価条件を確認します。用途によって必要な性能は異なるため、完成品に近い仕様で試作し、着用環境を想定して確認します。
制電糸そのものによる縮みの傾向は一律ではなく、組み合わせる繊維や生地加工に左右されます。裁断前には放反し、量産前に洗濯またはクリーニング後の寸法変化、外観、制電性能を確認します。
縫製では、制電糸が部分的に入った格子やストライプの柄位置を確認し、左右の見え方をそろえます。縫い糸や副資材まで制電仕様が必要かは、製品の用途と要求性能に応じて判断します。





