タキシードとは
タキシードとは、主に夜の準礼装として用いる、拝絹を施した上着と共地のスラックスを中心に構成する男性の洋装です。
目次6項目
定義と概要
タキシードは、英語ではディナージャケットとも呼ばれる夜間の男性用準礼装です。一般的には黒または濃紺の上着、共地のスラックス、白い礼装用シャツ、蝶ネクタイを組み合わせ、ブラックタイの装いの中心となります。
日本では礼服調の上下組を広くタキシードと呼ぶ場合もありますが、本来は昼の正礼装であるモーニングコートや、夜の正礼装である燕尾服とは、用途と格の位置付けが異なります。
部位と作り
上着はシングルブレストで前を一つボタンで留める形が代表的です。衿はピークドラペルまたはショールカラーが多く、ラペルには拝絹と呼ばれる光沢のある絹織物、または同様の見え方を持つ別布を配します。
スラックスは上着と共地を用い、脇線に側章と呼ばれる拝絹の帯を入れる仕様が基本です。ベルトループを付けず、サスペンダーやカマーバンドで腰回りを整える組み合わせが伝統的ですが、製品の仕様によって異なります。
- ラペル:上着の前端から衿に続く折り返し部分です。
- 拝絹:ラペルや側章に使う、朱子織などで光沢を出した絹織物です。
- 側章:スラックスの脇線に縦に配する装飾テープです。
素材と仕上げ
本体には、落ち着いた光沢とドレープ性を備えたウール系の織物が多く用いられます。ラペル、くるみボタン、スラックスの側章には、シルクの朱子織やグログランのように、本体と質感を変えた生地を合わせることがあります。
企画時は、本体と拝絹の黒さ、光沢、表面感を照明下で確認することが重要です。黒や濃紺は素材や染色の違いによって見え方が変わりやすく、部位ごとの色差や過度なテカリが目立つことがあります。
合わせる装いと使い方
格式を意識する場では、白い礼装用シャツに黒の蝶ネクタイ、黒の靴を合わせます。シャツはウイングカラーやヒダ胸の仕様が用いられることがあり、袖口にはカフリンクス、前立てにはスタッドボタンを使う組み合わせもあります。
タキシードは一般的に夜の祝宴、式典、舞台衣装などに用いられます。招待状のドレスコード、会場の慣習、主催者側の指定を優先し、昼の礼装が必要な場面ではモーニングコートなど別の装いを検討します。
選び方と取り扱いの注意
選定では、ラペルの形、拝絹の素材感、ボタンの仕様、スラックスの側章の有無を揃えて確認します。既製的なスーツに蝶ネクタイを合わせた装いは、タキシード本来の仕様とは異なることがあるため、求めるフォーマル度を先に定めます。
拝絹部分は摩擦や圧力で毛羽立ち、アタリ、テカリが生じることがあります。着用後はポケットの中身を出して形を整え、幅のあるハンガーで休ませます。クリーニングやアイロンは表示に従い、ラペルへの強いプレスを避けます。
よくある質問
タキシードと燕尾服の違いは何ですか。
タキシードに普通のネクタイは合わせられますか。
伝統的なブラックタイの装いでは、黒の蝶ネクタイを合わせます。通常のネクタイを用いるとスーツに近い印象になり、礼装としての定型からは外れます。演出衣装などでは、目的に応じて仕様を判断します。
タキシードは昼間に着てもよいですか。
伝統的には夜の装いとされますが、現代の結婚式や舞台などでは昼に着用される場合もあります。式典では招待状のドレスコードや会場の指定を確認し、昼の正式な礼装が必要ならモーニングコートを選びます。





