モーニングコートとは
モーニングコートとは、前裾が斜めに大きく後方へ流れるカッタウェイ形状を特徴とする、昼間の慶事などで着用する男性の正礼装です。
目次5項目
定義と格付け
モーニングコートは、昼間の最も格式が高い男性礼装の一つです。結婚式で新郎や両家の父親が着用するほか、式典などの改まった慶事に用いられます。夜の正礼装である燕尾服とは、着用する時間帯と基本の装いが異なります。
日本では「モーニング」と略して呼ばれることが多く、衣服としては上着だけでなく、ベスト、縞柄のトラウザーズ、シャツ、タイなどを含む一式の装いとして扱われる場合があります。
形状と仕立て
最大の特徴は、前身頃の裾がウエスト付近から後ろへ向かって斜めにカットされたカッタウェイです。後ろ身頃は膝裏付近まで届く長さが一般的で、腰から裾にかけての流れるような線が礼装らしい外観をつくります。
前合わせはシングルの打ち合わせが基本で、ボタンは留めた際に見えにくい仕立てとすることがあります。衿はピークラペルが多く、ラペルは拝絹など光沢のある別布ではなく、共地で仕立てる構成が基本です。
体に合った肩幅、胸まわり、ウエストの絞りと、後ろ裾の落ち方が重要です。丈やカッタウェイの位置は見た目の印象を大きく左右するため、既製品でも着用前に袖丈やパンツ丈を確認します。
素材と付属の選び方
上着には、深い黒色で落ち着いた表面感をもつウール地が多く用いられます。光沢が強すぎる生地やカジュアルな織柄は、正礼装としての端正な印象を損なうことがあるため、用途に応じて避けます。
ボタンは共地で包んだくるみボタンが用いられることがあります。シャツは白無地を基本とし、白または淡い色調のベスト、グレー系の縞柄トラウザーズを合わせるのが一般的です。
- 上着:黒のウール地を基本とします。
- ベスト:白または淡い色調を選ぶことが多いです。
- トラウザーズ:グレー系の縞柄が一般的です。
- 手袋:慶事では白または淡色の手袋を携える場合があります。
合わせる装いと使用上の注意
モーニングコートには、白いシャツにシルバーグレー系のネクタイまたはアスコットタイを合わせることが多く、慶事では白黒の縞柄タイが用いられる場合もあります。靴は黒の紐靴を基本とし、装飾性を抑えたものを選びます。
タキシードは夜の準礼装、燕尾服は夜の正礼装であるのに対し、モーニングコートは昼の正礼装です。ただし、式の開始時刻、会場の慣例、招待状のドレスコードが優先されるため、時間帯だけで機械的に判断しないことが必要です。
着用後はポケットの中身を出し、ハンガーに掛けて湿気を飛ばします。ウール地は摩擦によるテカリが出やすいため、連続着用を避け、汚れや型崩れが気になる場合は礼服の扱いに慣れたクリーニング店へ相談します。
よくある質問
モーニングコートとタキシードの違いは何ですか。
モーニングコートのボタンは留めますか。
着用時は前身頃のボタンを留めるのが基本です。ただし、ボタンの数や配置、ベストの見せ方には仕立てや式典の慣例による違いがあります。上着の形を整え、ベストとトラウザーズを含めて端正に着用します。
モーニングコートは弔事にも着られますか。
格式の高い弔事で着用される場合がありますが、慶事と弔事ではタイ、ベスト、手袋などの選び方が異なります。参列先の案内、宗教・地域の慣例、遺族側の服装方針を確認し、華美な印象を避けることが大切です。





