耳ネームとは
耳ネームとは、織物の耳部分に製造元や品番などの識別情報を文字で表示し、生地の識別や取引時の照合に用いる目印です。
定義と概要
耳ネームは、織物の両端にある耳へ表示された文字や記号を指します。生地名、品番、製造に関する表示などが用いられ、反物の内容を見分ける補助情報として扱われます。耳文字、耳マークと呼ばれることもあります。
耳ネームは生地本体の意匠ではなく、耳に付された識別表示です。そのため、裁断後の製品に残すことを前提としないのが一般的です。ただし、耳をデザインとして見せる仕様では、事前に使用可否を確認します。
取引で使う場面
生地の発注、入荷、検反では、耳ネームを帳票、見本反、スワッチに記載された品番や色番と照合する手掛かりにします。外観が似た生地や、複数色を同時に扱う場合に、取り違えの防止に役立ちます。
縫製工場へ反物を支給する際は、耳ネームだけに依存せず、反ごとの識別票や裁断指示書にも品番、色番、ロットなどを明記します。加工や保管状態によって耳の表示が読みにくい場合もあるためです。
- 入荷時に発注書の品番、色番、数量と照合します。
- 検反時に耳ネームと反の管理票を対応付けます。
- 裁断前に表裏、地の目、柄方向と併せて確認します。
- 縫製工場への支給時は、反単位で識別情報を共有します。
確認するポイントと数字の扱い
耳ネームに数字がある場合でも、その意味は表示する事業者や生地によって異なります。品番、色番、ロット番号、管理番号などの可能性があるため、数字だけから生地幅、長さ、目付、混用率などを判断してはいけません。
生地幅は耳を含む幅か、耳を除いた有効幅かで裁断可能な寸法が変わります。見積り、用尺計算、マーキングでは、耳ネームの位置ではなく、規格書または現物で確認した有効幅を基準にします。
行き違いを防ぐ注意点
耳ネームの有無、文字内容、左右どちらの耳にあるかは、同じ品番でも生産時期、色、加工条件などによって変わることがあります。耳ネームが見本と異なることだけで、生地違いとは断定できません。
耳ネームを製品のアクセントとして残す企画では、文字内容、向き、見える位置、耳端のほつれや硬さを確認します。表示には意匠としての使用を想定しないものもあるため、企画段階で供給元へ確認することが重要です。
似ている用語との違い
耳は織物の端部そのものを指し、耳ネームはその耳に付いた文字や記号の表示を指します。また、織りネームは衣料品などに縫い付ける織製のネームであり、生地の耳にある識別表示とは用途と形態が異なります。
セルビッチデニムのセルビッチは、生地の耳の仕様や特徴を示す用語です。耳ネームは耳の構造ではなく、主に識別のために記された表示を示します。
よくある質問
耳ネームは裁断時に残してもよいですか。
一般的には裁断で除かれる耳部分の表示であり、製品に残すことを前提としていません。耳を見せるデザインにする場合は、文字内容の扱い、表示の向き、耳端のほつれや肌当たりを確認し、供給元にも使用可否を確認します。
耳ネームにある数字は何を示しますか。
耳ネームが見本反と異なる場合は生地違いですか。
耳ネームの表示は、生産時期、色、加工、管理方法などで変わる場合があるため、表示の違いだけでは生地違いと断定できません。品番、色番、ロット、組成、生地幅、風合いを確認し、必要に応じて供給元へ照会します。





