ラバーキャストとは
ラバーキャストとは、ゴム型の空洞へ溶かした金属を流し込み、冷却してボタンなどの立体的な付属を成形する鋳造方法です。
定義と概要
ラバーキャストは、原型から作ったゴム型を用いる鋳造方法です。型内の形状へ溶融金属を流し込み、冷えて固まった後に取り出します。複雑な凹凸、透かし、立体柄をもつボタンや装飾付属の製造に用いられます。
スピンキャストは、回転させたゴム型へ金属を行き渡らせるラバーキャストの方法を指すことがあります。現場や取引先によっては、ラバーキャストとスピンキャストをほぼ同じ意味で扱う場合もあります。
素材と構造
ラバーキャストのボタンは、一般的に低い温度で溶かせる金属を用いて作られます。完成品は金属調の重みや立体感を表現しやすく、表面の仕上げ、塗装、めっきなどにより外観を変えることがあります。
穴の仕様は二つ穴、四つ穴、猫目などの表穴のほか、裏面に足を設けた足つきボタンがあります。穴や足の位置、厚み、裏面の抜け方は縫製性と強度に関わるため、表面意匠だけでなく裏面仕様も確認します。
サイズの表し方
ボタンのサイズは、直径をmmで示すほか、リーニュで表すことがあります。リーニュはボタンの呼び寸法に使われる単位であり、発注時はリーニュ表示だけでなく、実寸の直径と厚みを仕様書で照合することが大切です。
ラバーキャスト品では、正面から見た外径が同じでも、立体形状や足の張り出しによって必要なボタンホール寸法や縫い付け時の収まりが変わります。量産前には現物でボタンホールとの相性を確認します。
主な用途と選定
金属らしい表情と細かな意匠を生かし、ジャケット、コート、ブルゾン、ワンピース、制服などの前開きや袖口に用いられます。装飾性を重視する衣装やバッグ類の付属として採用されることもあります。
選定時は、デザインに加えて、衣料の用途に必要な強度、重量、生地への負担、洗濯方法を確認します。薄地や伸縮性の高い生地では、ボタンの重さで前立てが伸びたり垂れたりしないよう、芯地や力ボタンの使用も検討します。
付け方と取り扱いの注意
表穴ボタンは穴に糸を通して縫い付け、足つきボタンは足に糸を掛けて固定します。厚地へ付ける場合やボタンが生地から浮く必要がある場合は、根巻きをして糸足を作ると、ボタンホールへの通しやすさを確保しやすくなります。
洗濯、ドライクリーニング、アイロンへの適性は、使用金属、表面仕上げ、塗装の有無で異なります。洗剤、溶剤、汗、水分、摩擦などにより、変色、塗膜の傷み、めっきの劣化が起こる場合があるため、製品条件に沿った試験確認が必要です。
鋳造品は、強い衝撃や過度の曲げによって割れ、欠け、足の破損が生じることがあります。アイロンはボタンへ直接高温で当てず、当て布を用いるかボタンを避けてかけます。量産前には縫い付け後の洗濯試験と実用時の引張確認を行います。
似ている用語との違い
ダイカストは、一般に金属製の型へ溶融金属を圧力をかけて注入する鋳造方法です。ラバーキャストはゴム型を使う点が異なり、複雑な形状や少量生産に適する方法として扱われます。いずれも素材名ではなく製法名です。
ラバーキャストはラバーそのものを材料にしたボタンを意味しません。ゴムボタンやシリコーン製のボタンとは、主材料と製造方法が異なります。商品を選ぶ際は、製法表示だけでなく、基材、表面仕上げ、穴または足の仕様を確認します。
よくある質問
ラバーキャストのボタンは洗濯できますか?
洗濯への適性は、鋳造に使う金属や塗装、めっきなどの表面仕上げによって異なります。水分、洗剤、摩擦で変色や表面劣化が起きる場合もあるため、ボタン単体ではなく縫い付けた製品状態で洗濯試験を行い、洗濯表示との整合を確認します。
ラバーキャストとダイカストは何が違いますか?
主な違いは型です。ラバーキャストはゴム型を使い、細かな凹凸や複雑な意匠、少量生産に対応する方法として用いられます。ダイカストは金属型を使う鋳造方法です。どちらも金属付属の製法を示す言葉で、素材名ではありません。
足つきのラバーキャストボタンを付ける際の注意点は何ですか?
足の内径に通る糸を選び、足の根元へ過度な力が集中しないように縫い付けます。生地厚に応じて根巻きを行い、ボタンがボタンホールを通る余裕を確保します。量産前には、足の破損、糸切れ、ボタンのがたつきを確認します。





