qmaxとは
qmaxとは、皮膚が生地に触れた直後に皮膚から生地へ移動する熱の大きさを示し、接触時の冷たさを評価する指標です。
目次6項目
定義と概要
qmaxは、肌を模した加温板が生地に触れた瞬間の最大熱流束を測定し、接触冷温感を数値化したものです。単位は一般にワット毎平方センチメートルで表され、値が大きいほど触れた瞬間に冷たく感じやすい傾向があります。
生地の組織名、素材名、加工名ではなく、特定の試験条件における熱の移動を表す性能評価値です。そのため、同じ素材でも糸使い、密度、厚み、表面形状、仕上げ加工によって値は変わります。
特徴と感じ方
qmaxが高い生地は、肌の熱を素早く受け取りやすいため、さらりとした冷たい第一印象につながります。表面がなめらかで接触面積が大きい生地や、熱を伝えやすい性質を持つ素材・加工では、この傾向が現れることがあります。
ただし、qmaxは触れた直後の感覚を表す指標です。着用中の涼しさ、通気性、吸水性、吸湿性、透湿性、肌離れ、衣服内の湿気の抜けやすさを単独で保証するものではありません。見た目の光沢、透け感、厚みとも必ずしも一致しません。
- 値が高いほど、一般に接触時の冷感が強い傾向があります。
- 汗で湿った状態、重ね着、風の有無、着用者の体温などで体感は変化します。
- 表面の凹凸が大きく肌への接触が少ない生地は、肌離れが良くてもqmaxが高いとは限りません。
主な用途
接触時の清涼感を訴求したい春夏向けの衣料や寝装品、インナー、スポーツ用途などで参照されます。シャツ、カットソー、パンツ、ワンピース、裏地などでは、用途に応じて冷感以外の機能とのバランスを確認します。
直接肌に触れる面で冷感を得たい場合は、表地だけでなく裏面の素材や組織も重要です。衣服としての快適性を検討する際は、通気性、吸水速乾性、ストレッチ性、透け感、ドレープ性なども併せて評価します。
選び方と取り扱いの注意点
数値を比較するときは、同じ試験方法、試験環境、試料の状態で測定された値かを確認します。測定条件が異なる数値は単純比較できません。企画段階ではスワッチでの手触りに加え、試作による着用評価を行うと判断しやすくなります。
qmax自体は生地の縮み、洗濯耐久性、縫製性を示す指標ではありません。洗濯後に風合いや表面状態が変わると接触感も変化し得るため、縮率と洗濯耐久性を確認します。滑りやすい表面や薄地では、縫いずれ、パッカリング、縫い目の波打ちを事前に試験縫いで確認します。
似ている用語との違い
接触冷感は、触れた瞬間に冷たく感じる性質を指す一般的な表現であり、qmaxはその評価に用いられる代表的な数値の一つです。接触冷感の表示や訴求にあたっては、試験条件と表示根拠を確認する必要があります。
吸水速乾は汗や水分を吸い上げて乾きやすくする性質、通気性は空気の通りやすさを示す性質です。いずれも夏の快適性に関係しますが、qmaxが評価する触れ始めの熱移動とは評価対象が異なります。
よくある質問
qmaxの数値が高ければ、着用中もずっと涼しいですか。
qmaxが高い生地は洗濯で縮みますか。
qmaxの値から縮みの有無や大きさは判断できません。縮みは繊維の種類、組織、染色整理、縫製仕様、洗濯方法などに左右されます。量産前には洗濯試験を行い、縮率と洗濯後の風合いを確認します。
qmaxと接触冷感は同じ意味ですか。
接触冷感は触れたときの冷たさという性質・訴求を指し、qmaxはその感覚に関わる熱移動を測定した数値です。接触冷感を判断する際には、qmaxのほか、実際の手触りや用途に応じた着用評価も重要です。





