ピューターとは
ピューターとは、錫を主成分にほかの金属を加えた合金で、鋳造による立体的な意匠や落ち着いた金属調を生かすボタン素材です。
定義と素材の特徴
ピューターは錫を主成分とする合金です。衣料用ボタンでは、金型へ溶かした合金を流し込む鋳造で作られることが多く、彫刻調の模様、紋章、動物、花などの細かな立体表現に用いられます。
銀色からくすんだ灰色に近い金属調が特徴です。表面仕上げによって光沢感や陰影は変わります。真鍮などを含むメタルボタンと同様に見える場合がありますが、ピューターは合金の種類を示す素材名です。
形状と穴・足の構造
ピューターボタンには、表側に二つ穴または四つ穴を設けた形と、裏側に糸を通す足を付けた形があります。穴あきはシャツやカーディガンなどの比較的平らな前立てに、足つきは厚地や立体感を出したい箇所に使いやすい形です。
足つきには、糸を通す輪状のカン足や、横方向に空洞を設けたトンネル足などがあります。足の高さ、穴の大きさ、ボタンの厚みは縫製仕様に影響するため、生地厚と使用する糸に合わせて確認します。
- 二つ穴・四つ穴:表面の穴に糸を通して付ける形です。
- カン足:裏面の輪状の足に糸を通して付ける形です。
- トンネル足:裏面の横穴に糸を通して付ける形です。
サイズの表し方
ボタンの大きさは、直径をmmで示すほか、リーニュでも表します。リーニュはボタンに使われる伝統的なサイズ単位で、1リーニュは約0.635mmです。発注や仕様書では、リーニュとmmのどちらで管理するかを統一すると確認ミスを抑えられます。
同じ表示サイズでも、縁の立ち上がり、表面の凹凸、足の有無によって見た目の大きさやボタンホールへの収まりは変わります。量産前には実物で穴寸や厚みを確認し、ボタンホールとの相性を試験します。
主な用途
ピューターボタンは、ジャケット、コート、ブルゾン、ベスト、ニットカーディガンなどに用いられます。重厚感やクラシックな印象を加えやすく、ワーク、ミリタリー調、民族調、カントリー調のデザインにも合わせられます。
前開きの実用ボタンだけでなく、袖口、ポケット、衿元の飾りボタンにも使われます。ただしボタン自体に重さがある場合があるため、薄地や伸びやすい生地では、使用位置と補強の要否を検討します。
付け方と取り扱いの注意
足つきのピューターボタンは、生地との間に適度な糸足を作り、必要に応じて根巻きをして固定します。ボタンに力が集中しないよう、裏側に力ボタンを用いる方法もあります。強く締めすぎると、生地の厚みになじまず、糸切れや破損の原因になります。
合金の組成や表面仕上げによっては、湿気、汗、洗剤、摩擦などで変色や表面の風合いの変化が起こることがあります。洗濯、ドライクリーニング、アイロンは製品表示と付属の耐性を確認し、アイロンをボタンへ直接強く当てないようにします。
鋳造品は強い衝撃、過度の曲げ、落下などで割れや変形が生じる場合があります。洗濯時は裏返す、ネットを使用するなどして他の金具との衝突を抑えます。量産品では、洗濯試験やドライクリーニング試験を含めた付属の適合確認が重要です。





