汗堅牢度とは
汗堅牢度とは、汗に含まれる水分や塩分などの影響を受けたときに、生地の色が変化しにくく、ほかの生地へ色移りしにくい性質を評価する堅牢度です。
定義と概要
汗堅牢度は、汗に見立てた試験液に生地を接触させ、一定の条件で処理した後の変退色と、添付した白布への汚染を確認する品質項目です。汗による色の変化と色移りの両方をみる点が重要です。
試験では一般に酸性側とアルカリ性側の汗液を用いて評価します。肌に近い衣料では、着用中の発汗による生地同士、または生地と裏地などの接触を想定して確認します。
特徴と製品への影響
汗堅牢度は生地の厚み、伸縮性、吸水性、通気性や風合いを直接表す性能ではありません。主に染料、色相、染色方法、後加工などにより左右される、色の耐久性に関わる評価です。
値が十分でない場合、汗や湿気を受けた濃色生地で色が冴えなく見えたり、淡色の別布、裏地、下着などへ色移りしたりするおそれがあります。特に濃淡を組み合わせたデザインでは外観への影響が大きくなります。
- 変退色:汗の作用によって生地自体の色調が変わることです。
- 汚染:接触している別の生地へ染料が移ることです。
- 汗堅牢度は、汗を吸いやすいことを示す吸水性とは別の評価です。
主な用途
Tシャツ、シャツ、ブラウス、インナー、スポーツウェア、ユニホームなど、肌に近く汗をかきやすい衣料で確認されます。春夏物だけでなく、重ね着で蒸れやすい秋冬物、運動時や作業時に着用する衣料でも考慮が必要です。
脇、衿ぐり、背中、ウエストまわりなどは汗の影響を受けやすい部位です。配色切替、プリント、刺繍、テープ、裏地など、異なる色や素材が接触する仕様では、完成品に近い組み合わせでの確認が役立ちます。
選び方と取り扱いの注意点
生地を選ぶ際は、用途に必要な汗堅牢度の試験結果について、変退色と汚染を分けて確認します。色、素材、加工、ロットによって結果が異なることがあるため、採用色と実際の組み合わせで試験することが大切です。
汗堅牢度は洗濯による色落ち、乾いた状態や湿った状態での摩擦による色移りとは評価条件が異なります。汗、洗濯、摩擦が重なる着用場面を想定し、洗濯堅牢度や摩擦堅牢度も併せて確認します。
縮みや縫製の可否を直接判断する指標ではありません。ただし、濃淡の生地や付属を縫い合わせる場合は、縫製後に湿気で接触部へ移染しないかを確認し、必要に応じて事前試験や洗濯試験を行います。
よくある質問
汗堅牢度と洗濯堅牢度の違いは何ですか?
汗堅牢度は汗に見立てた液による変退色と汚染を評価し、洗濯堅牢度は洗濯時の水、洗剤、機械作用などに対する色の耐久性を評価します。どちらか一方が良好でも、他方が同程度とは限らないため、用途に応じて両方を確認します。
汗堅牢度が良ければ、白い衣類への色移りは起きませんか?
汗堅牢度が良好でも、湿潤時の摩擦、洗濯、長時間の密着など別の要因による色移りは起こり得ます。濃色品と淡色品を組み合わせる仕様では、汗堅牢度に加えて摩擦堅牢度や洗濯堅牢度を確認し、製品での事前試験を行うことが重要です。





