線圧とは
線圧とは、接着プレス機で芯地と表地を圧着するときに、プレス部が生地幅方向の単位長さ当たりに加える力を示す接着条件です。
定義と概要
線圧は、連続式の接着プレス機で用いる圧力の管理値で、一般にニュートン毎センチメートルで表します。加熱されたベルトやローラーが、芯地と表地を重ねた素材に加える押さえの強さを示します。
接着では温度、時間、線圧の組み合わせが重要です。線圧が適切であれば、接着樹脂が表地と芯地の間になじみ、必要な接着強度と外観を得やすくなります。
使う部位と役割
線圧は、接着芯を貼る衿、前立て、カフス、見返し、ウエストまわりなどの加工で確認します。部位ごとに表地の厚みや求める硬さが異なるため、同じ芯地でも適正な条件が変わることがあります。
薄地のブラウス地では風合いや表面の繊細さを保ち、ジャケットの前身頃や衿では形を支えることが求められます。線圧を調整することで、樹脂の接着不足と過度な圧着の両方を避けます。
素材と芯地による影響
織芯、不織布芯、ニット芯など、芯地の基布構造と接着樹脂の種類によって、なじみやすい線圧は異なります。表地も、薄地か厚地か、織物かニットか、毛羽や凹凸があるかで圧着時の挙動が変わります。
柔らかく薄い表地に強い線圧を加えると、芯地の組織や樹脂の凹凸が表面に現れることがあります。一方で厚地や表面に凹凸のある素材では、線圧が不足すると樹脂が十分にかみ合わず、剥離につながる場合があります。
- 表地の厚み、目付、表面の凹凸を確認します。
- 芯地の硬さ、伸縮性、樹脂の種類を確認します。
- 表地と芯地を重ねた状態で、試験接着して判断します。
選び方と接着・縫製上の注意
線圧は、芯地の指定条件を出発点とし、実際に使用する表地で試験して決めます。外観、風合い、剥離強度、洗濯やクリーニング後の状態を確認し、温度や時間も含めて条件を調整します。
線圧が低すぎると接着不足やバブリングが起こりやすく、高すぎるとシミ出し、アタリ、キラツキ、表地のつぶれを招くことがあります。接着後は十分に冷却してから裁断や縫製を行い、接着層を安定させます。
縫製時には、接着部分が厚く硬くなった場合に針穴やパッカリングが目立つことがあります。芯地の硬さと縫い代の重なりを考慮し、針、糸、縫い条件を事前に確認することが大切です。
似ている用語との違い
線圧は単位幅当たりの押さえ力を示す値です。これに対し、ゲージ圧力は機械の空気圧系統などで表示される圧力であり、同じ意味ではありません。機種によっては両方が接着条件として併記されます。
接着条件は、線圧だけを指す言葉ではありません。温度、時間、圧力を合わせた管理条件の総称です。また、剥離強度は接着後の接合の強さを評価する試験値であり、プレス時に設定する線圧とは区別します。
よくある質問
線圧は高くすれば接着強度も必ず上がりますか。
ゲージ圧力と線圧はどちらを確認すればよいですか。
両方を確認します。ゲージ圧力は機械側の圧力表示であり、線圧は生地に加わる単位幅当たりの力です。機種やプレス機の構造で関係が異なるため、使用機の取扱説明と芯地の推奨条件に従います。
接着後に表地の表面が硬く見える場合はどうしますか。
線圧が高すぎるほか、温度や時間が過大である、芯地が表地に対して硬すぎるなどの原因が考えられます。線圧だけを下げるのではなく、芯地の選定を含めて条件を段階的に試験してください。





