ドミット芯とは
ドミット芯とは、かさ高く柔らかな風合いをもつ厚地の芯地で、衿や前立て、肩まわりなどに厚みと丸み、保形性を与えるために用いられます。
目次5項目
定義と概要
ドミット芯は、衣服の内側に入れて厚みやふくらみを加える芯地です。表地の形を強く固定するというより、柔らかなクッション性を利用して、衿や肩まわりに自然な立体感をつくります。ドミットは素材名ではなく、このような風合い・用途の芯地を指す呼び方として用いられます。
接着樹脂を塗布して表地へ貼り合わせる接着芯とは異なり、ドミット芯は縫い込んで使うものが多く、フラシ芯の一種として扱われます。ただし、製品ごとに接着の可否や構造は異なるため、仕様書と現物見本で確認します。
使う部位と役割
主な使用部位は、ジャケットやコートの衿、前立て、肩まわり、袖山などです。衿では厚みを補って返りをふっくら見せ、前立てではボタンやホールのある部分を安定させます。肩パットや裄綿の構成材として用い、肩線から袖へ移る部分をなだらかに整える場合もあります。
キルト製品では、表地と裏地の間に入れることで厚みを出す用途があります。ただし、防寒性を主目的とする中綿とは役割が異なります。ドミット芯は部位の形づくりや当たりの緩和にも関わるため、必要な箇所へ部分的に使うことがあります。
- 衿の厚みと返りの表現
- 前立ての補強とふくらみの付与
- 肩まわり・袖山の丸みの形成
- キルト製品のかさ増し
素材と種類
ドミット芯には、綿や毛などの天然繊維を含むもののほか、合成繊維を用いたもの、複数の素材を組み合わせたものがあります。織物状、不織布状、毛芯などと組み合わせた構造などもあり、同じ名称でも厚み、密度、圧縮への強さ、表面の毛羽立ちに差があります。
薄手のものは重ねても過度に硬くなりにくく、衿や前立てなどに使いやすい傾向があります。厚手のものは立体感を出しやすい一方、縫い代が重なった箇所が厚くなります。毛芯と併用する仕様では、ドミット芯が柔らかい肉付けを担い、毛芯が形の支えを担うことがあります。
選び方と接着・縫製上の注意
選定では、表地の厚み、ハリ・コシ、毛足、仕立てたい形との釣り合いを確認します。薄く落ち感のある表地に硬い芯を合わせると、芯の輪郭や段差が表面に出ることがあります。厚地の表地でも、厚すぎるドミット芯を選ぶと衿先や前端がもたつくため、重ねた状態で評価します。
裁断前には地の目と縮みの有無を確認し、必要に応じて湯通しなどの下準備を行います。縫製では、厚みのある交差部で針目が乱れたり、押さえ跡やアタリが出たりしないよう、針、糸、押さえ圧、縫い順を試験します。接着タイプを併用する場合は、表地を含めたプレス試験で外観と接着状態を確認します。





