ボーイングとは
ボーイングとは、織物の緯糸や横方向の柄が生地幅に対して弓状に曲がる、地の目や柄位置に影響する生地の形状不良です。
目次5項目
定義と概要
ボーイングは、織物の緯糸、横縞、チェックなどが耳に対してまっすぐではなく、弓のように湾曲した状態を指します。製織、染色、整理加工などの工程で生じることがあり、反物を平らに広げて確認します。
生地の組織名や素材名ではなく、外観と寸法・柄位置に関わる品質上の状態です。無地では気付きにくい一方、ストライプや格子など横方向の基準線がある生地では、曲がりが見えやすくなります。
見た目と製品への影響
ボーイングそのものが風合い、保温性、通気性などを付与するものではありません。主な問題は、裁断後に横方向の柄や切替線、裾線が水平に見えにくくなり、製品の見栄えや左右のバランスに影響することです。
シャツ、ブラウス、スカート、ワンピースなど、横段やチェック柄を生かすアイテムでは特に注意が必要です。用途や季節による特性ではなく、柄の種類、デザイン、裁断方法によって許容の判断が変わります。
斜行との違い
斜行は、緯糸や編地のコースが耳または縦方向に対して斜めにずれる状態です。これに対しボーイングは、緯糸などが全体として弓状に湾曲する状態を指します。どちらも地の目や柄の見え方に関わりますが、変形の形が異なります。
緯曲がりはボーイングの別名として用いられることがあります。ただし、現場によっては緯糸方向の曲がり全般を指す場合もあるため、検反時には曲がりの方向、位置、程度を反物ごとに共有することが重要です。
裁断と縫製の注意点
裁断前に放反して生地の緊張を落ち着かせ、耳、地の目、柄線を基準にボーイングの有無を確認します。柄物は反物の端部だけでなく中央部も確認し、延反中にも柄線の位置が変化していないかを見ます。
地の目を優先して裁断すると柄が水平に見えないことがあり、柄を優先するとパーツの地の目がずれることがあります。量産前の裁断見本や縫製見本で外観を確認し、許容範囲と基準の優先順位を事前に決めます。
洗濯や水通しで収縮やねじれが起こる素材では、ボーイングの見え方が変わる場合があります。量産と同じ洗濯条件で試験し、洗濯後の柄位置、寸法、地の目を確認したうえで表示や仕様を設定します。
- 柄合わせが必要な製品は、裁断時のロスを見込んで用尺を検討します。
- 曲がりを無理に矯正しながら縫製すると、縫いずれやパッカリングの原因になることがあります。
- 許容可否は最終製品のデザインと検品基準に基づいて判断します。





