AATCCとは
AATCCとは、繊維・染色製品の色堅牢度や洗濯性などを評価する試験方法を整備する米国の業界団体であり、その試験規格群の通称です。
定義と概要
AATCCは、繊維、染料、化学加工に関する試験方法や評価手順を整備する団体です。アパレル業界では団体名に加え、同団体が定める試験方法そのものを指して「AATCC」と呼ぶことがあります。
AATCCは製品や工場に認証を与える制度、または法規制そのものではありません。試験の条件、操作、判定方法を共通化するための規格であり、試験結果が基準を満たすかどうかは、ブランド、販売先、用途などが定める要求によって判断されます。
対象と基準の考え方
生地や製品では、洗濯、摩擦、汗、光などによる色の変化や他素材への汚染、寸法変化、外観変化などの評価にAATCCの試験方法が用いられます。対象となる性能は、繊維の種類、染料、加工、用途、想定される手入れ方法によって異なります。
同じ色堅牢度でも、乾湿の別、洗濯条件、相手布、判定方法が異なれば結果を単純に比較できません。仕様書では試験方法の番号だけでなく、版、条件、必要等級または合否基準までそろえて指定することが重要です。
- 評価対象は色の変退色だけでなく、汚染、収縮、外観などを含みます。
- 試験方法と合格基準は別の情報です。
- 生地段階と製品段階では、試料や縫製・付属の影響により結果が変わる場合があります。
生地仕入れと製品づくりでの確認事項
生地を仕入れる際は、求める販売地域、アイテム用途、洗濯表示、濃色か淡色か、他素材との組み合わせを踏まえ、必要な試験項目と基準を事前に整理します。試験報告書を受け取る場合は、対象ロット、試料名、試験方法、条件、結果、試験機関を確認します。
量産前には、採用生地だけでなく、プリント、製品染め、洗い加工、芯地、裏地、テープなどを組み合わせた製品でも必要な性能を確認します。色移りや外観変化は、単体生地の試験結果だけでは把握しにくいことがあります。
表示と証明書の注意点
AATCC試験を実施したこと、または特定の試験方法で所定の結果が得られたことは、試験報告書で確認する事項です。これを根拠なく「AATCC認証済み」と表示すると、試験規格と認証制度を混同するおそれがあります。
商品表示や販売資料に性能を記載する場合は、試験対象、試験条件、基準、対象ロットとの対応関係を確認します。安全性や化学物質管理を示す認証、環境認証、法令適合とは目的と確認方法が異なるため、別途必要な証明を確認します。
似ている用語との違い
JIS L 1096は、日本で用いられる繊維製品試験方法の規格です。AATCCと評価対象が近い試験でも、手順や条件、判定方法が一致するとは限らないため、試験方法名を置き換えて扱うことはできません。
エコテックスやGOTS、GRSは、化学物質、有機原料、再生原料などに関する認証・認証基準です。AATCCは主として試験方法を定める枠組みであり、認証制度とは位置付けが異なります。
よくある質問
AATCCは認証ですか。
AATCC自体は、一般に製品認証や法規制を指す言葉ではなく、繊維製品の試験方法を整備する団体および規格群を指します。試験結果が特定の基準を満たすかは、ブランド、取引先、用途別の仕様で判断します。
AATCC試験の結果だけで商品に性能表示できますか。
試験報告書の対象試料、ロット、試験条件、結果を確認し、表示内容との対応を取る必要があります。生地単体の結果を製品全体の性能として表示できるとは限らず、加工や付属による影響も確認します。
AATCCとJIS L 1096は同じですか。
どちらも繊維製品の性能評価に用いられますが、別の規格です。評価項目が似ていても、試験条件や判定方法が異なる場合があります。仕様書では、必要な規格名、試験方法、条件、合格基準を明確に指定します。





