組織図とは
組織図とは、織物の経糸と緯糸が交差する上下関係を、升目と印で表した図であり、織組織の構造や繰り返し単位を確認するために用います。
定義と概要
組織図は、織物を構成する経糸と緯糸の交差順序を、方眼状の升目で示す図です。一般に升目の印は経糸が緯糸の上に出る箇所を表しますが、表記の約束は資料によって異なるため、凡例の確認が必要です。
一定の規則で繰り返される最小単位を完全組織といい、組織図はこの単位を読み取るための基本資料です。織機の準備や織物設計では、組織図を基に綜絖通しや踏み順などの情報を別途組み立てます。
特徴と生地への影響
組織図が示す交差の頻度や浮き糸の長さは、生地の表情、ハリ、摩擦への強さ、ドレープ性などに関わります。ただし、実際の風合いと機能は、素材、糸の太さや撚り、密度、仕上げ加工も組み合わさって決まります。
例えば平織は交差が多く安定した見た目になりやすく、綾織は斜めの綾目が現れます。朱子織は糸の浮きが比較的長く、光沢やなめらかさが出やすい一方、引っ掛けや摩耗への配慮が求められる場合があります。
主な用途と確認場面
組織図は、生地の企画、試織、品質確認、織物の解析で用います。服地だけでなく、裏地、資材、インテリア用途など、織物の構造を指定または確認する場面で役立ちます。組織そのものは季節やアイテムを一律に決めるものではありません。
企画時には組織図だけで判断せず、素材構成、経緯密度、目付、仕上げ後の生地見本を合わせて確認します。組織の繰り返しが大きい場合は、裁断時の柄合わせや用尺への影響も確認します。
- 設計意図に合う表面感と裏面感
- 必要な強度、通気性、ドレープ性
- 完全組織の大きさと柄合わせの要否
- 経方向と緯方向で異なる見え方や伸び
選び方と取り扱いの注意点
組織図は織り方の情報であり、洗濯による縮みや色落ちの程度を単独では判断できません。縮率、洗濯表示、堅牢度は素材や染色、整理加工を含めた生地試験や仕様で確認します。
縫製では、長い浮き糸を持つ組織や粗い組織で、糸引き、滑脱、縫いずれが起こることがあります。針、糸、縫い目の条件を事前に試し、必要に応じて芯地や縫い代始末を検討します。
似ている用語との違い
組織点は、組織図を構成する一つひとつの交差位置、またはその表示を指すことがあります。組織図が織組織全体を表す図であるのに対し、組織点は図中の要素に着目した言葉です。
意匠図は織物の柄や意匠の全体像を示す図で、組織図とは目的が異なります。また、平織、綾織、朱子織は織組織の種類であり、組織図はそれらの構造を記録・指示する表現方法です。
よくある質問
組織図だけで生地の風合いは分かりますか。
おおまかな表面感や糸の浮き方は推測できますが、組織図だけでは判断できません。風合いは素材、糸の太さや撚り、密度、目付、染色や仕上げ加工の影響を受けるため、実際の生地見本と併せて確認します。
組織図の印は何を表しますか。
多くの場合、升目の印は経糸が緯糸の上に出る交差点を表します。ただし、図面や教育資料によって上下の表し方が反対の場合もあります。組織図を読む、または作成する際は、必ず凡例と表裏の設定を確認します。





