マーチンデール法とは
マーチンデール法とは、生地を規定の条件で摩擦材に繰り返し接触させ、摩耗に対する耐久性や表面変化を評価する試験方法です。
定義と概要
マーチンデール法は、試験片を摩擦材に対して円形を組み合わせた軌道で反復摩擦し、生地の摩耗状態を調べる方法です。衣料用生地のほか、家具張り地など、繰り返しこすれる用途の耐久性評価にも用いられます。
評価では、糸切れ、穴あき、毛羽立ち、表面の変化などを観察します。摩擦回数だけでなく、試験荷重、摩擦材、試験片の取り付け方、判定基準が結果に影響するため、数値は試験条件と併せて確認します。
特徴と読み取り方
摩耗に耐える性能は、繊維の種類だけで決まるものではありません。糸の太さや撚り、密度、組織、起毛の有無、樹脂などの仕上げ加工によっても変わります。そのため、同じ素材名の生地でも試験結果には差が出ます。
試験結果が高いことは、指定条件下で表面が摩耗しにくい傾向を示しますが、柔らかさ、ドレープ性、通気性、見た目の上質さを直接表すものではありません。求める風合いと耐久性の優先順位を分けて判断することが重要です。
主な用途
ひじ、ひざ、尻、ポケット口、バッグと接する部分など、着用中に摩擦を受けやすい衣料の生地選定で参考にされます。ジャケット、パンツ、ユニホーム、ワーキングウェア、アウトドア用途などでは、用途に応じた摩耗耐久性の確認が役立ちます。
ソファや椅子などの張り地では、衣料より強い反復摩擦を想定する場合があります。同じマーチンデール法による結果であっても、衣料用とインテリア用では想定用途や判定の考え方が異なるため、単純比較は避けます。
選び方と取り扱いの注意点
生地を選ぶ際は、マーチンデール法の試験条件、判定内容、用途を確認します。摩耗強度だけで採否を決めず、ピリング、引裂強度、洗濯堅牢度、伸長回復率なども、製品の使用状況に合わせて確認します。
この試験は洗濯による縮みや色落ち、縫い目の強度、縫製時の扱いやすさを直接評価するものではありません。製品洗いを行う場合や、強い洗浄を想定する場合は、洗濯後の外観変化も別途試験または実用確認を行います。
似ている用語との違い
摩耗強度は、生地表面がこすれて損傷することへの強さを示す性能です。マーチンデール法は、その摩耗強度を評価する代表的な試験方法の一つであり、素材名や織物組織の名称ではありません。
ピリングは、摩擦によって生じた毛玉の発生や外観変化を指します。マーチンデール装置を用いてピリングを評価する場合もありますが、穴あきなどをみる摩耗試験とは評価目的と判定方法が異なります。
よくある質問
マーチンデール法の数値が高い生地は、必ず丈夫ですか。
指定された摩擦条件での耐摩耗性が高い目安にはなりますが、すべての耐久性を保証するものではありません。引裂き、縫い目、洗濯、紫外線などへの強さは別の性能です。試験条件と製品の使用環境を照らし合わせて判断します。
マーチンデール法とピリング試験は同じですか。
どちらも摩擦に関係しますが、主な評価対象が異なります。摩耗試験は糸切れや穴あきなどの損傷を、ピリング試験は毛玉や表面外観の変化を確認します。装置や試験法の名称が共通して使われる場合は、試験内容を確認します。





