国・言語・通貨の設定
国・言語・通貨を変更するには、新規会員登録またはログインしてください。

摩耗強度とは

定義

摩耗強度とは、生地の表面が着用時や洗濯時などの繰り返しの摩擦によって、擦り減り、毛羽立ち、破れなどを起こしにくい性質を示す品質特性です。

別名摩耗強さ

定義と概要

摩耗強度は、生地同士、衣服と身体・椅子・バッグなどが擦れることで生じる表面の損傷に対する強さです。素材だけで決まるものではなく、糸の太さや撚り、組織、密度、仕上げ加工などが総合的に影響します。

評価では、定めた条件で生地表面を繰り返し摩擦し、穴あき、糸切れ、表面変化などがどの程度起こるかを確認します。用途、試験方法、判定基準によって結果の見方が異なるため、数値だけを別条件の生地と単純比較しないことが重要です。

特徴と外観への影響

摩耗強度が高い生地は、擦れやすい部分でも生地が薄くなったり破れたりしにくく、着用や洗濯を重ねる用途に向きます。一般的に、太めで強い糸、密度の高い組織、表面の毛羽が少ない構造は、耐摩耗性を得やすい傾向があります。

一方で、摩耗に強いことが、やわらかさ、軽さ、ドレープ性を必ずしも両立するとは限りません。高密度化や樹脂加工などにより、風合いが硬くなる場合もあります。起毛、パイル、繊細な表面感の生地は、意図した外観を保つ観点から別途確認が必要です。

主な用途

摩擦を受けやすいパンツの膝・尻部、ジャケットの肘部、ユニホームやワークウェア、スポーツ・アウトドア衣料、バッグなどでは、摩耗強度が重要な選定項目になります。裏地やポケット袋布も、着脱や内容物との摩擦を想定して確認します。

季節を問わない品質特性ですが、重ね着をする秋冬物、アウター、毎日着用するアイテムでは特に検討されます。ただし、摩耗箇所、想定着用回数、求める軽さや表面感を整理し、アイテムごとに必要な水準を設定します。

選び方と取り扱いの注意点

生地を選ぶ際は、摩耗試験の条件と結果に加え、実際に擦れる部位や相手素材を確認します。縫い目、ポケット口、ベルトや金具が当たる箇所は局所的に傷みやすいため、補強、パイピング、別布使いなどの仕様もあわせて検討します。

縮みや洗濯による外観変化も、摩耗強度とは別に確認します。洗濯後に生地が収縮すると、風合いや表面状態が変わることがあります。縫製時は、針傷、縫いずれ、過度な押さえによる表面の傷みを避けるため、試し縫いで針・糸・送り条件を調整します。

  • 洗濯表示に従い、強い揉み洗い、長時間の乾燥、粗い面との接触を避けます。
  • 濡れた状態では表面が傷みやすくなる素材もあるため、洗濯後は放置せず速やかに形を整えて乾燥します。
  • 製品洗い、起毛、コーティングなどの加工後は、加工前とは別に摩耗性を確認します。

似ている用語との違い

ピリングは、摩擦によって発生した毛羽が絡み合い、毛玉になる現象です。摩耗強度は擦り減りや穴あきなどを含む表面損傷への強さを指し、両者は関連しますが同義ではありません。毛玉が出にくくても、摩耗による薄化や破れが少ないとは限りません。

摩擦堅牢度は、摩擦によって染料が他の生地へ移る汚染や色落ちへの強さです。また、引張強度は引っ張る力への強さ、引裂強度は切れ目から裂ける力への強さを示します。摩耗強度とは加わる力と評価する損傷が異なります。

よくある質問

摩耗強度が高い生地は、毛玉もできにくいですか?

必ずしもそうではありません。毛玉のできやすさは、繊維の種類、毛羽、糸の撚り、編織組織などに左右されます。摩耗強度が高くてもピリングが起こる場合があるため、毛玉が課題となる製品ではピリング試験の結果も確認します。

摩耗強度は洗濯で変わりますか?

変わることがあります。洗濯による縮み、毛羽立ち、起毛状態の変化、仕上げ加工の変化などにより、表面の摩耗の受け方が変化します。洗濯頻度の高い製品では、必要に応じて洗濯後の状態でも外観と摩耗性を確認します。

摩耗強度の高い生地を選ぶとき、何を確認すればよいですか?

想定用途に近い試験条件での評価結果を確認し、擦れやすい部位、相手となる素材、洗濯回数を整理します。生地単体の結果に加えて、縫い目や付属との接触部を含めた試作品での着用・洗濯確認を行うと判断しやすくなります。

この用語に関連する商品を探す
関連用語
この用語をシェア