ユーズド加工とは
ユーズド加工とは、洗い・摩擦・脱色・破れなどによって、長年着用したような色落ち、擦れ、毛羽立ちや傷みのある風合いを意図的に表現する加工です。
定義と概要
ユーズド加工は、新品の衣料や生地に経年変化したような表情を与える二次加工です。色を薄くするだけでなく、縫い目や端部の摩耗感、しわ、毛羽立ちなどを組み合わせ、着込んだような外観を表現します。
対象はデニムに代表されますが、綿織物、カットソー、スウェットなどにも用いられます。加工方法、素材、染色方法によって仕上がりが大きく変わるため、同じ名称でも外観や耐久性は一様ではありません。
特徴
主な見た目の特徴は、不均一な色落ち、白っぽい擦れ、縫い代や縫い目周辺のアタリ、部分的な毛羽立ちです。加工位置を調整することで、ひげ状のしわ跡や膝・裾などに生じる自然な摩耗感を演出します。
洗い、研磨、漂白、顔料の付着、破りなどの手法が単独または複合して用いられます。加工によって生地が柔らかくなる場合がある一方、表面繊維や強度に影響する場合もあるため、外観だけでなく物性の確認が必要です。
- ストーンウォッシュは、洗いによる色落ちや柔らかな風合いを出す方法の一つです。
- ブリーチ加工は、薬剤などで色を抜き、明るい色調やコントラストを表現する方法です。
- 破れや擦り切れを加える加工は、ダメージの程度によって補強仕様の検討が必要です。
主な用途
ジーンズ、ワークパンツ、デニムジャケット、ミリタリー調のアウター、Tシャツ、スウェットなど、カジュアルウェアを中心に使われます。素材本来の表情を生かし、ラフで着慣れた印象をつくりやすい加工です。
季節を限定する加工ではありませんが、厚地のデニムや裏毛では立体的なアタリを表現しやすく、薄地のシャツ地やカットソーでは軽い色褪せや柔らかな風合いを生かすことが多くあります。
選び方と取り扱いの注意点
企画時は、加工見本だけでなく、量産時の色差、加工位置、破れの大きさ、強度を確認します。手作業を含む加工は一点ごとの個体差が出やすいため、その差を許容範囲として仕様書や検品基準に明記することが重要です。
洗い加工を施した生地や製品は、加工後の縮みを前提にパターンを設計します。縫製前に生地の縮率、斜行、地の目の状態を確認し、必要に応じて湯通しや地直しを行います。特に柄物や脇線のある製品では、洗い後のねじれにも注意します。
縫製では、ダメージ部分が縫い代や力のかかる箇所に近いと裂けが進むことがあります。補強布、当て布、ステッチなどの仕様を検討し、加工工程と縫製工程の順序も工場と共有します。洗濯時は色移りやさらなる色落ちのおそれがあるため、洗濯表示に従うことが基本です。
似ている用語との違い
ダメージ加工は、破れ、穴、擦れ、ほつれなどの傷んだ外観を強調する加工を指すことが多く、ユーズド加工の一部として扱われる場合があります。一方、ユーズド加工は色落ちや洗いによる着古し感を含む、より広い表現として用いられます。
ヴィンテージ加工は、特定の年代や古着を想起させる色調、退色、仕様、風合いまで含めて表現する場合があります。ユーズド加工と明確に区別されないこともあるため、発注時は加工方法ではなく、見本と仕上がり基準で共有することが大切です。
よくある質問
ユーズド加工をすると、衣料の強度は下がりますか?
加工方法と程度によります。摩擦、脱色、破れを加える加工では、表面繊維や生地組織が弱くなり、摩耗や裂けが進みやすくなる場合があります。負荷のかかる部位は、加工範囲を避けるか、当て布やステッチで補強することを検討します。
ユーズド加工品は洗濯でさらに色落ちしますか?
染料や加工内容によっては、着用や洗濯により色落ち、色移り、毛羽立ちの変化が起こることがあります。特に濃色品は単独で洗う、裏返して洗うなど、製品ごとの洗濯表示に沿った取り扱いが必要です。
ユーズド加工とストーンウォッシュの違いは何ですか?
ユーズド加工は、着古したような外観をつくる加工全般を指す表現です。ストーンウォッシュは、その表現に用いられる代表的な洗い加工の一つで、洗いによる色落ちや柔らかさを与えます。ユーズド加工にはほかの加工方法も含まれます。





