耐塩素性とは
耐塩素性とは、プール水などに含まれる塩素の作用による繊維や染色、特にポリウレタン弾性糸の劣化を抑える性能です。
目次6項目
定義と概要
耐塩素性は、塩素を含む水に繰り返し触れた際に、生地の強度、伸縮性、色や外観が低下しにくい性質を指します。水着用途では、塩素によるポリウレタンの劣化を抑える目的で重視されます。
耐塩素性は素材名や組織名ではなく、原料設計や加工によって付与・向上される機能です。性能の対象が生地全体か、ポリウレタンなどの特定成分かは、規格書や試験データで確認します。
特徴
耐塩素性を備えたストレッチ生地は、一般的なポリウレタン混生地に比べ、塩素水への接触後も伸びや回復性を保ちやすい傾向があります。繰り返し着用する水着で、だれやフィット感の低下を抑えることにつながります。
光沢、発色、厚み、コンパクト感、反発感などの風合いは、使用するポリエステルやナイロン、編組織、仕上げによって変わります。耐塩素性があることだけでは、見た目や触感は決まりません。
主な用途
主な用途は競泳用やフィットネス用を含むスイムウェアです。プールで継続的に使用する水着、ラッシュガード、スイム用インナーなどでは、ストレッチ性と回復性を維持するために採用を検討します。
水辺のレジャー用、スポーツ用のストレッチアイテムにも用いられます。ただし、海水、日光、日焼け止め、摩擦などによる劣化への強さは別の性能であり、耐塩素性だけで総合的な耐久性は判断できません。
選び方と取り扱いの注意点
選定時は、混用率、耐塩素性の対象部位、伸長回復率、洗濯堅牢度などを用途に応じて確認します。色物では塩素による退色の見え方も確認し、実際の仕様に近い条件で試作・評価することが重要です。
着用後は速やかに真水ですすぎ、塩素、汗、日焼け止めなどを残さないようにします。洗濯表示に従い、強い漂白処理や高温乾燥を避けることで、生地やポリウレタンの劣化を抑えやすくなります。
縫製では、生地の伸縮に追従する縫い仕様と糸を選びます。過度な送り差や強い押さえによる伸びを避け、縫い目が着用時の伸長を妨げないかを確認します。裁断前には必要に応じて放反し、寸法変化も確認します。
- 耐塩素性の試験方法と評価基準を仕入先に確認します。
- 縮みや外観変化は、生地単体だけでなく付属やプリントを含めて評価します。
- 塩素系漂白剤に耐える性能とは限らないため、洗濯表示を優先します。
似ている用語との違い
耐塩素性は塩素への耐久性を表すのに対し、洗濯耐久性は洗濯の繰り返しによる性能維持を示す広い概念です。また、洗濯堅牢度は洗濯による染色の変退色や汚染のしにくさに関する評価であり、伸縮性の維持とは評価対象が異なります。
耐塩素性と耐光堅牢度も別の性能です。屋外で着用する水着では、塩素水への耐久性に加え、日光による退色への配慮が必要です。用途に応じて複数の試験項目を組み合わせて判断します。
よくある質問
耐塩素性があれば、塩素系漂白剤を使用できますか。
使用できるとは限りません。耐塩素性は主にプール水に含まれる塩素による生地、特にストレッチ成分の劣化を抑える性能です。塩素系漂白剤は濃度や接触条件が異なるため、製品の洗濯表示に従ってください。
耐塩素性生地は縮まない生地ですか。
耐塩素性は縮みを防ぐ性能ではありません。縮みや寸法変化は、繊維の種類、編組織、熱、洗濯・乾燥条件などで生じます。企画時には縮率を別途確認し、量産前に実用条件に近い洗濯試験を行います。
耐塩素性とストレッチ性は同じですか。
同じではありません。ストレッチ性は生地が伸びる性質、耐塩素性は塩素への接触後も劣化しにくい性質です。水着では伸長回復性と耐塩素性の両方が重要なため、それぞれの試験値や評価内容を確認します。





