ウーリー糸とは
ウーリー糸とは、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維のフィラメント糸に、熱と撚りで細かな縮れとふくらみを持たせ、羊毛(ウール)のような伸縮性とかさ高性を与えた加工糸です。生地の糸にも、ロックミシンなどの縫製用の糸にも使われます。
定義と概要
ウーリー糸は、ナイロンやポリエステルなどの合成繊維のフィラメント糸に、熱と撚りを加えて細かな縮れ(捲縮)とふくらみを持たせた加工糸です。羊毛(ウール)のような伸縮性とかさ高性(ボリューム)があることから、この名で呼ばれます。
多くは仮撚り加工でつくられ、ナイロン製はウーリーナイロン、ポリエステル製はウーリーポリエステルとも呼ばれます。生地を織ったり編んだりする糸として使われるほか、ロックミシンなどの縫製用の糸としても広く使われます。
素材とつくり方
原料は、表面が平滑なナイロンやポリエステルのフィラメント糸です。仮撚り加工では、糸に強い撚りをかけたまま熱で形を固定し、撚りを戻します。これにより、糸にコイル状の細かな縮れが記憶され、伸びとふくらみが生まれます。
縮れの間に空気を含むため、元のフィラメント糸よりもかさ高く、柔らかい手触りになります。ポリウレタンのようなゴム弾性ではなく、縮れが伸び縮みすることで伸縮性が出るため、回復性や耐久性は素材と加工条件によって異なります。
生地に使われるウーリー糸
生地では、伸縮性とふくらみ、柔らかな肌触りを生かして、タイツや靴下、インナー、スポーツウェアなどのニットに使われます。織物やレースでは、ポリエステルのウーリー糸でウールのような見た目と弾力を出したウール調のツイルやヘリンボン、裏地のウーリーツイル、ラッセルレースやメッシュなどがあります。緯糸にウーリーナイロンを使い、軽さと伸びを持たせた織物もあります。
組成表示ではナイロンやポリエステルとして記載され、ウーリーは糸の加工の呼び名として説明文に書かれることが多くあります。同じ素材でも、ウーリー糸を使った生地は、平滑なフィラメント糸の生地より伸びやすく、光沢やぬめり感が抑えられ、透けにくい傾向があります。
縫製用のウーリー糸
縫製用のウーリー糸は、ロックミシンやオーバーロックのルーパー糸として使い、縫い代の端を覆う柔らかな縫い目をつくる用途が代表的です。縫い目が生地の伸びに追従し、肌への当たりもやわらかいため、インナー、ランジェリー、スイムウェア、カットソーなどの縫製に使われます。
- ロックミシン・オーバーロックのルーパー糸
- 肌着やランジェリーの縫い代始末
- 水着、レオタードなどの伸縮素材の縫製
- カットソーやニットの縫い代始末
太さはデニールなどの直接番手のほか、メーカー独自の呼び番手で表示されます。かさ高さで見かけの太さが出るため、番手だけで平滑な糸と比べず、試縫いで縫い目のボリュームと伸びを確かめます。
選び方と取り扱いの注意点
生地を選ぶときは、素材と混率、伸びの程度、目付、洗濯後の縮みや毛玉の出やすさを確認します。ナイロンやポリエステルは熱で形が変わりやすいため、アイロンやプレスの温度は洗濯表示に合わせます。
縫製に使うときは、かさ高く摩擦が生じやすいため、通常のミシン糸と同じ設定では糸調子が安定しないことがあります。ルーパー専用か針糸兼用かを製品仕様で確認し、使う機械と生地で必ず試縫いします。
似ている用語との違い
仮撚り加工糸は、熱と撚りで縮れを与える加工方法から見た呼び名で、ウーリー糸はその代表的な糸の通称です。タスランは、空気の噴射で糸にループをつくってかさ高にした加工糸で、ウーリー糸に比べて伸縮性は小さく、コットンのようなドライな風合いになります。
ポリウレタンは、糸そのものがゴムのように伸び縮みする弾性繊維で、ウーリー糸とは伸びる仕組みが異なります。より大きな伸びと戻りが必要な生地や縫製には、ポリウレタンを使います。
よくある質問
ウーリー糸は縫製用の糸のことですか?
ウーリー糸を使った生地にはどんな特徴がありますか?
伸縮性とふくらみがあり、柔らかく肌なじみのよい生地になります。平滑なフィラメント糸の生地に比べて伸びやすく、光沢が抑えられて透けにくいため、タイツや靴下、インナー、スポーツウェア、ウール調の織物などに使われます。
ウーリー糸とポリウレタンの違いは何ですか?
ウーリー糸は、縮れが伸び縮みすることで伸縮性が出る加工糸です。ポリウレタンは繊維そのものにゴムのような弾性があり、より大きく伸びて戻ります。必要な伸びと回復性に応じて使い分けます。





