蓄光とは
蓄光とは、光を受けてエネルギーを蓄え、暗所で発光する性質、またはその材料や加工を指し、ファスナーでは主に務歯などに用いられる仕様です。
定義と概要
蓄光ファスナーは、明るい場所で太陽光や照明の光を受けた後、暗い場所で光を放つファスナーです。ファスナーでは、かみ合う部分である務歯に蓄光材を用いるものが代表的です。テープや引手など、務歯以外に蓄光機能をもたせる仕様もあります。
発光の見え方や持続時間は、蓄光材の種類、光を当てた強さと時間、周囲の明るさなどで変わります。そのため、暗所での位置確認を補助する機能として捉え、常時同じ明るさで発光するものではない点に注意します。
構造と部品
ファスナーは、左右でかみ合う務歯、務歯を動かして開閉するスライダー、端部の上止・下止、務歯を支えるファスナーテープで構成されます。蓄光仕様では、このうち務歯に蓄光材を配合した樹脂を用いる構造があります。
蓄光であることは、ファスナーの開閉方式や構造そのものを表す語ではありません。オープンファスナー、クローズファスナー、逆開、ダブルスライダーなどの仕様とは別に、発光機能を加えたものとして確認します。
- 務歯:左右がかみ合い、開閉部をつくる部品です。
- スライダー:務歯をかみ合わせたり、外したりする部品です。
- 上止・下止:スライダーの移動範囲を定める端部の部品です。
- ファスナーテープ:務歯を取り付け、生地へ縫い付けるためのテープです。
種類と仕様の確認
蓄光仕様を選ぶ際は、ファスナーの種類、務歯サイズ、長さ、開き方、テープ色、スライダー仕様を通常品と同様に指定します。務歯サイズは、務歯を閉じたときのおおよその幅を示す呼び方で、使用部位の強度、生地の厚み、見た目に合わせて選びます。
長さは一般に、上止から下止まで、または開具を含む指定された基準で表されます。オープン仕様や逆開仕様では測定基準が異なる場合があるため、発注時には製品の表示寸法と仕上がりで必要な長さを照合します。
主な用途と選び方
蓄光ファスナーは、暗い環境で開口部や収納位置を見つけやすくしたい衣料、バッグ、小物などに用いられます。アウトドア、スポーツ、ユニホーム、キッズ向けの製品では、意匠性と視認性への配慮を兼ねて採用されることがあります。
用途に応じて、必要な務歯サイズ、開閉頻度、負荷、テープの縫い付け先の生地厚を確認します。発光色や明るさの印象は周囲の条件で変わるため、企画段階で現物見本に光を当て、暗所での見え方を確認することが重要です。
縫製と取扱いの注意点
縫製では、テープ端から務歯へ針が寄り過ぎると、務歯やスライダーに干渉し、開閉不良の原因になります。テープの指定縫い位置を守り、縫製後は生地の張りや波打ちも含めて、全長を複数回開閉して確認します。
洗濯、摩擦、熱、薬剤への耐久性は、蓄光材を使う部位やファスナーの構成によって異なります。製品洗い、漂白、ドライクリーニング、アイロン工程を予定する場合は、事前に洗濯試験と外観・発光状態の確認を行います。
よくある質問
蓄光ファスナーと反射ファスナーの違いは何ですか。
蓄光ファスナーは、事前に受けた光のエネルギーを蓄え、暗所で自ら光って見える仕様です。反射ファスナーは、ライトなど外部から当たる光を反射して見えやすくする仕様です。両方の機能を組み合わせた資材もありますが、見え方と必要な条件は異なります。
蓄光ファスナーは暗い場所ですぐに光りますか。
蓄光材は、明るい場所で光を受けることで発光します。十分に光を受けていない場合や、周囲が明るい場合は発光を確認しにくくなります。使用環境の照明条件を想定し、試作段階で光を当てた後の見え方を確認してください。





