フラップポケットとは
フラップポケットとは、ポケット口の上にフラップと呼ばれる覆い布を付け、収納物の落下や雨・ほこりの入り込みを抑えるポケット仕様です。
定義と概要
フラップポケットは、身頃やポケット本体の口元を、別裁ちしたフラップで覆う仕様です。フラップは雨蓋とも呼ばれ、袋布やポケット口を保護するとともに、衣服の表情をつくる意匠的な役割も担います。
フラップの下には、箱ポケット、玉縁ポケット、パッチポケットなど、異なる構造のポケットを組み合わせられます。このため、フラップポケットはポケットそのものの形ではなく、口元を覆うディテールの名称として捉えることが重要です。
使う部位と役割
ジャケットの腰位置や胸位置、コート、ブルゾン、パンツの後ろ身頃や脇などに用いられます。開口部を覆うことで中身が見えにくくなり、携行品の落下を抑えやすくなるため、実用性が求められる衣服にも適します。
雨やほこりを完全に防ぐ構造ではありませんが、口が露出したポケットより異物が入りにくくなります。ボタン、ドットボタン、面ファスナーなどでフラップを留める仕様では、開閉性と保持性をさらに調整できます。
素材と種類
フラップには一般的に表地と同じ生地を使い、必要に応じて接着芯を貼って形を保ちます。薄手で柔らかい表地では芯の種類や貼り方により、フラップの反り、波打ち、過度な硬さが仕上がりに影響します。
形状は角形、丸みのある形、先端を尖らせた形などがあります。ポケット口に挟み込む仕様のほか、上端を身頃にたたき付ける仕様、マチ付きポケットのふたとして使う仕様があり、服種と収納量に応じて選ばれます。
- 箱ポケットに重ねるフラップ仕様
- 玉縁ポケットに重ねるフラップ仕様
- パッチポケットの口元を覆うフラップ仕様
- マチ付きポケットに付けるフラップ仕様
主な用途と選び方
テーラードジャケットでは、腰ポケットの玉縁にフラップを重ねる仕様がよく見られます。ワークウェア、ミリタリー調の衣服、アウトドア向け衣服では、容量のあるパッチポケットやマチ付きポケットと組み合わせ、収納物を保護する目的で用いられます。
選定時は、ポケットの用途、収納物の厚み、表地の厚さ、洗濯や着用時の負荷を確認します。頻繁に出し入れする部位では開けやすさを、作業着などでは留め具の保持性や引っ掛かりにくさを考慮して、フラップの寸法と留め方を決めます。
縫製上の注意と似ている用語との違い
フラップは表地と芯地の収縮差、縫い代の厚み、返し不足によって、端がつれる、反る、左右差が出ることがあります。縫製前に芯貼り後の状態を確認し、返し線を正確に整え、角やカーブの縫い代を適切に処理してから表に返すことが大切です。
箱ポケットや片玉縁・両玉縁はポケット口の構造を指し、フラップポケットとは同義ではありません。パッチポケットは外側に布を縫い付けるポケットの形式であり、フラップを付ける場合も付けない場合もあります。向こう布や口布は主にポケット内部や口元を補強・構成する布を指します。





