ベネチアンレースとは
ベネチアンレースとは、網状の基布を目立たせず、太いコードで縁取った立体的な柄を特徴とする、重厚感のあるレースです。
定義と概要
ベネチアンレースは、花や植物などのモチーフを太いコードで輪郭取りし、地組織の透けを抑えて柄を際立たせたレースです。名称はイタリアのベネチアに由来し、ベニスレースとも呼ばれます。
手仕事のニードルレースに由来する意匠を指すことがありますが、アパレル資材では機械生産品もベネチアンレースと呼ばれます。名称だけで製法を限定せず、現物や仕様の確認が必要です。
つくり方と素材
伝統的なものは布の基布を用いず、針と糸でかがって模様を構成するニードルレースです。現代の服飾用資材では、コードを用いて柄を強調する刺繍、ケミカルレースなどで表現されることが多くあります。
素材には綿、レーヨン、ポリエステル、ナイロンなどが用いられます。素材、糸の太さ、仕上げによって、しなやかさ、ハリ、厚み、洗濯への適性は大きく変わります。
見た目の特徴
輪郭を縁取るコードによる凹凸と、透かし部分のある大きめのモチーフが特徴です。細い網目を地にして柄を見せるレースよりも、彫刻的で存在感のある印象になりやすいです。
柄の端がスカラップ状になったもの、モチーフを切り離して使えるものもあります。厚みのある柄部分と透ける部分が混在するため、重ねる生地の色によって見え方が変わります。
主な用途
ドレスやブラウス、スカートの切り替え、衿や袖口、裾の装飾に用いられます。立体感を生かしやすく、フォーマルウェア、衣装、ランジェリーの装飾にも使われます。
テープ状のものは縁飾りとして、広幅のものはヨークや身頃などのパーツとして使用します。部分使いではモチーフの向きと端の形を確認し、左右対称に配置すると仕上がりが整います。
選び方と取り扱いの注意
用途に合わせて、幅、柄の大きさ、コードの厚み、端部の処理、透け感を確認します。伸縮性は素材や製法によって異なり、ストレッチ性のない品は着用時に力がかかる箇所へ単独で使わない配慮が必要です。
裁断時はモチーフを傷つけないように柄位置を決め、必要に応じて仮止めします。切り放しの端は糸が抜けたりほつれたりする場合があるため、縫い込み、手まつり、接着など、製品とレースに適した始末を検討します。
洗濯は組成と洗濯表示に従います。立体的なコードや繊細な透かし部分は摩擦や引っ掛かりの影響を受けやすいため、洗濯ネットの使用、弱い作用での洗浄、形を整えた平干しなどが適する場合があります。
よくある質問
ベネチアンレースとケミカルレースは同じですか?
ベネチアンレースは伸びますか?
伸びの有無は一律ではありません。ポリウレタンを含むものや伸縮性のある基布を使うものは伸びますが、コードの効いた非ストレッチ品も多くあります。幅方向と長さ方向の伸び、回復性、縫製時の引っ張りによる変形を、使用前に確認してください。
ベネチアンレースの端はどのように始末しますか?
スカラップなど完成した耳を利用できる場合は、そのまま裾や衿端に使えます。切断した端は、縫い代に縫い込む方法が基本です。モチーフ使いでは、糸抜けを防ぐために輪郭近くを細かく手まつりするなど、柄と素材に応じた補強を行います。





