こんにちは!ApparelX サステナブルチームの木村です。
みなさんは"カゼイン"という言葉を知っているでしょうか?
ファッションにおいて「小さなパーツの選択」がブランドの価値を左右することがあります。近年再注目されているのが、牛乳由来のたんぱく質からつくられる カゼイン素材のボタン。
環境配慮型資材を求める動きが強まる中、ブランドのストーリー性や差別化につながる素材です。
今回はそんな"カゼインボタン"を紹介します!
カゼイン(Casein)は、牛乳に含まれる主要なたんぱく質のひとつで、牛乳の固形成分の約8割を占めます。チーズやヨーグルトをつくる過程で分離される副産物として得られるものです。
食品分野だけでなく工業用途にも古くから利用されてきました。 副産物を廃棄せず資源として活用できる点が、サステナブル視点で高く評価されています。
カゼイン樹脂が開発されたのは20世紀初頭。ドイツで「ガラリスチン(Galalith)」と呼ばれる樹脂が誕生し、ボタンや装飾品、万年筆などに使われるようになりました。
当時は「人工的につくられた天然素材」として珍重され、戦前のヨーロッパでは高級ボタンの定番素材として親しまれました。
カゼインボタンは以下のプロセスで生まれます。
牛乳からカゼインたんぱく質を抽出
硬化剤と反応させ、樹脂状に加工
棒材や板材に成形後、ボタン形状に削り出し
染色・研磨によって独特の艶と色合いを実現
天然由来でありながら、艶やかな光沢感や多彩なカラー表現が可能です。
メリット
サステナブル性:牛乳の副産物を活用し、廃棄削減に貢献
高級感ある光沢:天然由来ならではの奥深い艶
多彩な表現力:染色性に優れ、カラーバリエーションが豊富
実用性:十分な硬度を持ち、日常使いに対応
デメリット
耐水性が弱い:長時間の水濡れや湿度に注意が必要
熱に弱い:高温環境では変形の可能性あり
大量生産には不向き:コストや効率でプラスチックに劣る
子供服には注意:採用する際には ホルムアルデヒド規制への適合性を確認
※日本の子供服に関しては、家庭用品規制法(ホルムアルデヒド規制) によって厳しい基準が定められています。 付属品には、必ず ホルムアルデヒド検査(JIS L1041など) をクリアしたものを採用する必要があります。
「カゼイン素材のボタンを選ぶ」ことは、単に環境配慮というだけでなく、ブランドストーリーを語れる要素になります。 牛乳副産物を資源化する「循環性」 長い歴史を持つ「伝統性」 天然素材らしい「高級感」 こうした背景は、消費者にとって“共感できるサステナブルな価値”となり、ブランドの差別化につながります。
メーカーの定番人気の商品。 やわらかい風合いで、レディースのニット素材との相性が良い商品です。
サイズ展開も8MM~40MMと幅広いため、アウターの 内掛けボタン等にもお使い頂けます。
独特な質感の丸みのある半円型のボタンです。
カゼイン素材の性質を活かした細いリング下、エッジ部分、ボタンホールの中、全て光沢が出る唯一の素材です。
※1リットルの牛乳から取れるボタンの数は20mmで3個と大変貴重です。
S-21 カゼイン樹脂製 トンネル足・つや有りモチーフボタン
カゼイン樹脂を使ったフラワーモチーフのトンネル足ボタンです。
サスティナブル素材で立体的なモチーフボタンは珍しいですね
カゼイン樹脂製のトンネル足ボタンです。着色済のためこのままお使いいただけます。
35MMまで展開があるのでアウターのナットボタン代わりにもおすすめです。
最後に
いかがでしたでしょうか?カゼイン素材のボタンは、100年以上の歴史を持ちながら、サステナブルな資材として今改めて評価されています。小さなパーツにこそ、ブランドの姿勢が宿るもの。ぜひ次のコレクションで、環境配慮と美しさを両立するカゼインボタンをご検討ください。
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